技術や社会の変化が加速する中で、貴社は今後何を大切にしながら、フォントづくりに取り組んでいきたいと考えていますか。
阿部:「WEBフォント」という、サーバーからコンテンツと一緒にフォントをダウンロードする技術があります。その機能を使うと、パソコンにUDフォントが搭載されていなくても使用することが可能になります。
今後はこのような新しい技術を活用し、情報を発信する人たちがUDフォントを積極的に使用できるようにし、より多くの人が見やすく読みやすい環境を享受できるようにすることも求められていると思っています。時代の変化に柔軟に対応しつつ、イワタらしさと強みを活かして、今後もフォント業界のパイオニアとして牽引できればと思っています。
水野:当社は創業100年超ですが、より風通しの良い組織へと変化していきたいと考えています。その取り組みの一つとして、事務所をリニューアルし、壁やパーテーションを取り払って、各部署が自由に行き来できる空間にしました。社員の年齢層は幅広いものの、固定の座席を決めないフリーアドレス制を導入することで、部署や世代を超えたコミュニケーションが生まれやすくなっています。
その結果、部門の垣根を越えた打ち合わせが、自然と行われるようになりました。オフィスデザインを一新したことで、社員同士の自由な会話が活発になり、新たなアイデアや連携が生まれやすい環境になっていると感じています。100年以上続く企業であっても、昔のやり方に固執せず時代の流れを敏感に感じとり、「今、何が求められているか」をキャッチアップしながら、これからも歩みを続けたいと思います。
当社のフォントデザイナーは少数精鋭で数名しかいませんが、90歳を超える者から新卒で入社した20代まで年齢層は幅広いです。だからこそ、長年培ってきた伝統や技術を守りながらも、斬新なアイデアや柔軟な発想が生まれているのだと思います。今後も、デザイナー一人ひとりの経験や感性を尊重しつつ、これまでにないフォントづくりに挑戦し続けたいと考えています。
取材協力:株式会社イワタ
取材日:2025年12月
