ローカル5Gが支える移動の革新。車椅子ユーザーの自由と安全の両立を目指す「WHEEプロジェクト」(3/4)

3 ローカル5Gを活用して自動運転車椅子の可能性を拓く

「WHEEプロジェクト」の中核となる自動運転車椅子について教えてください。

串山:自動運転車椅子は、「WHEEプロジェクト」の中で最も挑戦的な取り組みの一つですこれは、車椅子に搭載した高精度のカメラやセンサーで周囲の状況を収集してパソコンに送信し、これを分析して障害物の回避情報や安全なルート情報等を返送することで自立走行できる車椅子を作ろうというプロジェクトです。障害物や歩行者を検知し、安全に車椅子の移動をサポートするだけでなく、AIによる学習機能を活用して過去の移動データを解析し、利用者の行動パターンに合わせて移動ルートを最適化することも可能です。

そして、自動運転車椅子の実現には、ローカル5Gが大きな役割を果たします。例えば、商業施設内で自動運転車椅子を使う場合、目的地までの最短ルートを計算し、障害物や混雑を避けて安全に移動するためには、リアルタイムでデータ処理を行う必要があります。これを実現するには、通信が速く、安定しており、大量のデータを処理できるローカル5Gの特性が非常に適しています。

自動運転車椅子が実用化すれば、車椅子を使う人がもっと自由に移動できるようになり、車椅子ユーザーの社会活動に大きな利便をもたらすはずです。