じぶんがつくるコエのナビ&ガイドアプリ「LOOVIC」(以下、「LOOVIC」)をどのような目的で開発されたか、開始時期とともに教えてください。
開発を志したのは、視空間認知障害をもつ私の子どもがきっかけでした。このような課題を抱える方は空間を把握したり、記憶したりすることに苦手を感じやすい傾向です。私の子どももそのような症状があったため、外出トレーニングなどのリハビリ生活をする中で、「誰もが安心して外出できるものを作りたい」と考え始めました。 当初は課題を抱える方の自立支援を目的として開発を進めましたが、手元にあるイヤホンなどを用いる仕様にすることで周りから見ても違和感なく利用でき、自分で判断し行動することで「自立促進」にもつながると考えました。「LOOVIC」には、空間の景色を、当事者の特性に合わせてセラピストやご家族などの支援者が案内しやすくする仕組みも搭載しており、外出に不安を感じる方や付き添いたいけど付き添えない方の一歩を後押しするものです。
構想を練り始めたのは2018年頃です。2020年から少しずつ開発に着手し、2021年に法人化しました。アプリのサービス開始は2025年中を予定しています。
構想から時間を要したのは、当事者の特性理解と研修開発、そしてビジネス適合性の調査を繰り返してきたからでした。仮に専用機器を必要とする仕組みにした場合、「特別扱いをされている存在」と当事者は感じ、また周りの方も何か課題を抱えているのだろうかと感じやすくなってしまいます。特に、見た目では課題が理解されにくいグレーゾーンの方たちは、社会の中で自然に暮らしたいと考えており、自分の弱みを表に出すことに強い抵抗を感じる傾向があります。そうした気持ちに配慮し、できるだけ普段の生活になじむ形を模索しました。
その結果、特別な装着機器を使わない仕様にたどり着きました。周囲に気づかれずに使えることで、自分で判断して行動できる「自立促進」にもつながります。誰でも利用できるサービスが普及してこそ、課題を抱える方も抵抗感なく使っていただけるようになるはずです。
