親の「監視されたくない」気持ちに応える。テレビで見守りと会話を両立する「ちかく」が支える家族の自然なつながり(1/4)

1 親の心の負担を軽減。テレビを活用して見守りとテレビ電話を両立

「ちかく」はどのような仕組みで見守りとコミュニケーションを実現しているのでしょうか。

梶原:「ちかく」には、大きく分けて「見守り」と「テレビ電話」の2つの機能があります。親御さんの家では、専用端末をテレビとコンセントにつなぐだけで利用できます。端末には、スマートフォンと同じように携帯電話回線で通信するためのSIMが内蔵されているため、新たにWi-Fiを契約したり、設置工事をしたりする必要はありません。新しいスマートフォンやタブレットの操作を覚えてもらうのではなく、日頃から使い慣れているテレビをそのまま活用できるのが特徴です。

 まず「見守り」では、端末に内蔵されたカメラの映像を人体検出AIが解析し、テレビのある部屋に人がいるかどうかを判定します。離れて暮らすお子さんはスマートフォンのアプリから、今その部屋にいるのか、不在の場合は最後にいつ在室していたのかを確認できます。

 さらに見守り機能を強化した「あんしんモード」をONにすると、睡眠時間や在室履歴などから、普段の生活リズムに変化がないかを確認できたり、設定した時刻までに起床が確認できなかった場合には、お子さんのアプリに通知が届いたりします。ただし、サービス側が異変の有無を判定するわけではありません。「今日はいつもと少し様子が違うから、連絡してみよう」と気づき、行動するきっかけをつくることを重視しています。

 もう一つの「テレビ電話」は、お子さんのスマートフォンのアプリから電話をかけると、親御さんは使い慣れたテレビの大画面で相手の顔を見ながら会話できるものです。複数人でのグループ通話にも対応しているほか、通話中にスマートフォンの写真をテレビ画面に映し、一緒に見ながら話すこともできます。

「ちかく」は、どのような課題意識から生まれたサービスなのでしょうか。

 梶原:きっかけの一つになったのが、当社が以前から提供している「まごチャンネル」のお客様の声です。「まごチャンネル」は、スマートフォンで撮影した動画や写真を、離れた場所にあるテレビに届けられるサービスです。

 親御さんが動画や写真を見始めると、お子さん側のアプリに通知が届きます。利用されたお客様からは、「通知が来ると、今日も元気に過ごしていることが分かって安心する」という声をいただいておりました。

 さらに詳しく話を伺うと、「安否は気になるけれど、新たにセンサーやカメラを置こうとすると嫌がられる」という悩みがあることが分かりました。その一方で、「離れていても、顔を見ながらリアルタイムで話したい」というお子さんの強い要望もありました。

 そこで、安否を確認するための「見守り」と、家族が顔を見ながら会話できる「コミュニケーション」を別々に考えるのではなく、一つのサービスで両立できないかと考えたのが、「ちかく」開発の出発点です。

「ちかく」の機能を説明した図。大きく分けて「見守り」と「テレビ電話」の2つの機能で構成される