

平成18年9月26日、NICTは消防庁と共同で、NICTが開発した「ヘリコプター衛星通信システム」と消防庁の「消防防災通信ネットワーク」を用いて、ヘリコプターから衛星に直接電波を送信する方法により、被災地の映像情報をリアルタイムに消防庁に送ることができるかを実証するための実験を行いました。これは新潟中越地震の際に、消防防災ヘリコプターで撮影した被災地映像をリアルタイムで伝送することができなかった経験を基に、平成16年にNICTが開発したヘリコプター衛星通信システムの実証実験で得られた映像情報速度を従来の384kbpsから1.5Mbpsへ4倍に向上させるなどの改良を加え、岐阜県での撮影映像を静止衛星経由で東京・霞ヶ関の総務省消防庁にリアルタイム伝送できるかを実証する実験です。 当日の参加者は100名を超え、広大な消防防災危機管理センターでも立ち見が出るほどの盛況でした。高部消防庁長官、松本総務省技術総括審議官、長尾NICT理事長らが見守る中、ヘリコプターからは、リアルタイムの鮮明な映像が伝送され、都市部、河川部、山間部等の中継が行われました。途中、小笠原消防庁国民保護・防災部長とヘリコプターに搭乗したNICT研究者との間でリアルタイムのやりとりが行われ、人間を認識できるまでズームアップを行ったり、橋上の自動車を拡大するなど、危機管理センターからの指示で撮影位置を変化させるなど、ヘリコプター撮影運用が行われ、人間を認識できるまでズームアップを行ったり、橋上の自動車を拡大するなど、危機管理センターからの指示で撮影位置を変化させるなど、ヘリコプター撮影運用が行われました。 今後は、ヘリ搭載装置の小形化、軽量化が喫緊の課題であり、通信範囲の拡大、汎用機体技術等の問題、さらに一層の高画質化の課題が控えています。本成果を実用化するまでには一層の努力が必要であり、実用化の主体である民間、ユーザとなる消防庁等、研究開発の主体であったNICTの3者において、これらの課題について検討していくことが重要です。併せて、実用化に当たっては標準化も進める必要があります。本技術を安全・安心を支えるNICT発の実用化技術の一つと位置付け、社会に貢献していきたいと考えています。 |
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ヘリコプター衛星通信実証実験 日 時:平成18年9月26日 午後1時30分〜 場 所:総務省消防庁消防防災危機管理センター |