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公開シンポジウム「気象災害の軽減を目指した  リモートセンシング技術の利用」開催報告

●シンポジウム会場の様子 ●シンポジウム会場の様子

電磁波計測研究所 企画室 室長 石井 守 専門推進員 佐藤 晋介
NICTと次世代安心・安全ICTフォーラムでは、2012年1月18日(水)に大阪商工会議所国際会議ホールにて公開シンポジウム「気象災害の軽減を目指したリモートセンシング技術の利用」を開催しました。この会合は、NICT、(株)東芝、大阪大学による連携で研究開発を進めてきた「次世代ドップラーレーダ(フェーズドアレイ気象レーダ)」の試験運用をこの春に大阪大学吹田キャンパスにて開始することに伴い、気象レーダの潜在的ユーザである自治体関係者、データ利用者およびレーダ開発者が一堂に会して、ニーズ・シーズマッチングをより効果的に進めることを目的として開催されたものです。併せて、昨年9月に台風12号の被害が大きかった和歌山県山間部の観測で有効と考えられる航空機搭載合成開口レーダ(SAR)と広範囲の風の分布を高時間分解能で計測可能なドップラーライダについても紹介し、その民間利用の推進による災害の軽減についても検討しました。


本シンポジウムは、NICT電磁波計測研究所の井口俊夫所長の主催者挨拶で幕を開け、来賓挨拶として総務省近畿総合通信局の野津正明局長にご挨拶いただいた後、京都大学防災研究所の中北英一教授による基調講演「ゲリラ豪雨と国土交通省MPレーダ」が行われました。続いて気象庁大阪管区気象台の小山芳太氏による大阪府の大雨、気象庁高層気象台の石原正仁台長による新型レーダへの期待についての講演が行われ、次に(株)東芝の水谷文彦氏、大阪大学の牛尾知雄准教授によるフェーズドアレイ気象レーダの開発および検証実験に関する講演が行われました。NICTからは浦塚清峰室長による航空機搭載SARと安井元昭室長によるドップラーライダの講演が行われました。その後パネルディスカッションとして、国土交通省近畿地方整備局、神戸市建設局等の関係者を交え、既存レーダの課題と新型レーダへの期待、防災分野へのリモートセンシング活用に関する議論等を行いました。参加者は190名を数え、会場からの質問・コメントも活発に出されました。最後にレーダ完成の際の見学会開催について井口所長より提案があり、今後のさらなる展開に関心を集め盛会のうちに終了しました。

本シンポジウム開催にあたり、ご協力をいただいた総務省近畿総合通信局、近畿情報通信協議会をはじめとする多くの関係の皆様に感謝申し上げます。

●パネルディスカッションの様子
 ●パネルディスカッションの様子

プログラムの詳細・講演内容につきましては、以下のホームページをご覧ください。 http://ictfss.nict.go.jp/osaka2012/

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