全盲者の協力を得て実施した検証を通じて得られた課題と改善の背景は何ですか?
大木:全盲の方に協力をお願いした「ユビー」の検証は、アクセシビリティ向上を具体的に推進する上で欠かせないステップとなりました。この検証は、視覚障害を持つ方々が日常的にどのようにウェブサイトやアプリを利用しているのか、その操作感や課題を直接知る貴重な機会になりました。
「ユビー」を全盲の方に使っていただいた際、スクリーンリーダーの読み上げがスムーズでない部分がいくつか見つかりました。例えば、重要なボタンについてスクリーンリーダーが読み飛ばしてしまったり、情報を正しい順序で表示せず、内容を十分に理解できなかったりしたことがあり、利用者にとって大きな障壁となる課題を見つけました。この課題に対処するため、画面設計全体を見直し、スクリーンリーダーの読み上げ順序を明確化しました。
さらに、ボタンの大きさや選択肢に対応するタップ領域の問題も指摘されました。一部のボタンが小さく、特に手指に障害のある方や高齢者には操作が困難であるという意見をいただきました。これを改善するため、すべてのボタンやタップ領域の大きさを一定のサイズ以上とし、タップしやすいデザインに変更しました。これにより、視覚障害者だけでなく、一般のユーザーにとっても使いやすく、直感的に操作できるデザインを実現しました。
