このシステムは会社の会議のほかには、どのようなシーンで利用されていますか。
小久保:会議以外では、字幕のついていない動画視聴や朝礼、集合・オンライン問わず社内外の行事、さらには不特定多数が参加するイベントでも活用されています。
スポーツイベントでの事例として、当社が運営するプロラグビーチーム「ブラックラムズ東京」のホーム試合では、二次元コードを掲載したチラシを配布し、来場者がスマートフォンで読み取ることで、アナウンスの内容をPekoeで確認できるようにしました。音声情報を同時に取得できる仕組みは、情報の公平性を確保し、誰もが安心して楽しめる環境づくりに大きく貢献しています。
2025年11月に日本で開催されたデフリンピックでの活用エピソードがあったら教えてください。
小久保:新たな試みとして、スマートグラスを用いた実証実験を行いました。スマートグラスは、レンズ部分に音声認識された文字が表示される仕組みで、聴覚障がいのある方が装着することで、通常はスマートグラス越しに試合を楽しんでいただき、場内アナウンスがあった場合にはレンズ上に表示される文字から情報を取得できるツールです。
木下:レンズ上には5行分の文字が表示されます。デフリンピックでは、実際に観客に使用していただき、大変好評でした。
一方で、人によって文章を読むスピードが異なるため、文字数が多いと追いつけないという意見も寄せられました。現在はまだ実証実験の段階ですが、今後さらに改善を重ねていきたいと考えています。
小久保:スマートフォンでの文字表示の場合、表示された文字を確認するために視線を下に落とす必要があります。スポーツ観戦中であれば、視線を外すことで見逃してしまう場面もあるでしょう。スマートグラスを使っていればそのようなことは起こらなくなります。
ただし、今回の実証実験を通して、新たな課題も見えてきました。これらは今後の改善につながる‘伸びしろ’だと捉えています。
利用した方からはどのような声や感想が聞かれますか。
小久保:社員の話になりますが、補聴器店とのやり取りを主に筆談で行っており、もどかしさを感じていたそうです。しかし、「Pekoe」を使ったことで、そのもどかしさが解消され、コミュニケーションが非常にスムーズになったと感激していました。「Pekoe」の良さを多くの人に知ってもらいたいという思いから、利用している補聴器店に自ら紹介したいとのことで、その際にはPekoeの営業担当者も同行して機能やメリットについて丁寧に説明しました。補聴器店の方も、その利便性を実感した結果、導入につながったこともあります。このように、実際に利用された方からも「業務や日常のコミュニケーションが格段に楽になった」という声が多く寄せられています。
