「つまモーネ」の開発にあたり、他社製品とは違うこだわった部分は何ですか。
このシステムの大きな特徴は、「能動的な動作を促す仕組み」と「異常通知をあえて搭載していない」点の2つです。居宅でケアマネジャーなどのサポートを受けておらず、一人暮らしで身の回りのことを自分で行っている高齢者を対象としています。なぜなら、介護施設で暮らしている方やケアマネジャーの支援を受けている方には、すでに見守る存在が身近にいるからです。
居宅で一人暮らしをしている方には、自立心や自尊心が強い方が多くいらっしゃいます。そのため、離れて暮らす家族が見守るためのカメラなどを設置すると、「監視されている」と感じ、強い抵抗感を示すケースが非常に多いのです。まずは、この心理的なハードルをクリアする必要がありました。そこで、抵抗感を与えずに、自然に能動的な動作へとつながる仕組みであれば受け入れてもらえるのではないかと考えました。自発的に楽しみながら行動することで、その情報が発信されれば、「監視されている」という感覚を持たずに必要な情報を取得できるのではないかと考えたのです。
また、多くの見守りシステムには「何かあった時に知らせる異常通知機能が搭載」されていますが、このシステムにはあえてその機能を設けていません。これは、「見守ってほしい高齢者」と、「見守りの状況を把握したい家族」の双方をターゲットとしているからです。高齢者が日々発信する情報を家族が確認し、その変化をしっかり受け止めていく、この考え方を大切にしています。そのためには、「高齢者自身が見守りを望んでいること」と「家族が見守りたいと願っていること」が一致していることが前提となります。高齢者が情報を発信し、家族がその情報を丁寧に受け取り、日々の変化を確認する。このような関係性と仕組みがあってこそ、真の見守りといえるのです。
このシステムの特長はどのようなところですか。
これまでの見守りシステムとの大きな違いは、「日々の変化を確認できること」、そして「状況を確認する必要がある仕組み」だと考えています。このシステムには異常通知機能を搭載していないため、離れて暮らす家族は、「日々の変化を意識的に確認」する必要があります。一方、従来の多くの見守りシステムには異常通知機能が備わっており、異常があれば自動的に知らせてくれます。その結果、「異常がなければ大丈夫」という状態に慣れてしまいがちです。しかし現実には、異常通知は事態が起こってから行われるため、通知を受けて急いで駆けつけたときには、すでに大事になっており、車椅子生活や寝たきりの生活になってしまうといったケースも多く見られます。
こうした事態を回避するためには、異常が起きる前に変化を把握し、その予兆を見逃さないことが重要です。特に発生件数の多い転倒においては、リスクの兆候を捉えるために日々の筋力変化を継続的に取得することが欠かせません。
さらに、このシステムでは筋力の変化を把握するだけでなく、見守りを同時に行える点も重視しています。家族は、筋力の変化から転倒などの予兆を察知しつつ、日常の様子も見守ることができます。これこそが、従来の見守りシステムに対するこのシステム独自の大きな付加価値だと考えています。
