デフリンピックに関連した導入事例を教えてください。
デフリンピック開催期間中、会場周辺のファミリーマート48店舗にて、9時~18時までオンライン手話通訳サービスを提供しました。
利用方法は非常にシンプルです。まず、サービス利用者が、店内に設置されたPOPのQRコードをスマートフォンなどで読み取ります。表示された画面に名前と店舗名を入力し、呼び出しボタンをタップすると、手話通訳者につながり、通訳が開始される仕組みです。呼び出し後すぐに手話通訳者が画面に表示されるため、聴覚障害者は待つことなく、スムーズに通訳を始めることができます。
ファミリーマートでは、もともとレジ付近に指差しシートが設置されているため、簡単なやり取りであれば、それで対応できるケースもありますが、少し込み入った内容になると、どうしても時間がかかってしまっていました。そのような場面で、オンライン手話通訳サービスを利用していただきました。私自身も、実際に手話通訳者として対応しましたが、利用後に感謝の言葉もいただきました。今回は27日間と短期間での提供で、試験導入という位置付けでした。しかし、私の両親も日頃から「ATMやコピー機の使い方が分からない」と話しており、今後はこうした場面でもニーズが広がっていくのではと感じています。
他の大規模イベントに関連した導入事例がありましたら教えてください。
2025年に開催された2025年日本国際博覧会(以降、大阪・関西万博)では、アクセシビリティセンターに導入しました。また大阪・関西万博以外にも、2025年1月22日(水)~1月24日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催されたスマート工場EXPOの「日本通運株式会社」が期間限定で出展したブースにて、聴覚障害者へのサポートとして導入しました。こうしたイベントの場面では、実際にどの程度利用されるか、事前に正確に把握するのが難しくなります。それでも、情報保障をあらかじめ用意しておくことは、障害者差別解消法の観点からも重要な視点です。そのため、「万が一に備える」だけでなく、「誰もが安心して利用できる環境を整える」という考えのもと、導入を検討する企業もありました。今後は、大阪・関西万博のような多くの人が集まる大規模イベントや施設での活用が、さらに広がっていくのではないかと考えています。
「オンライン手話通訳サービス」の利用者の感想を教えてください。
オンライン手話通訳サービスは、聴覚障害者にとっても、また聴者においても高い利便性を提供するサービスですが、双方の利用者からの率直な感想が私たちのもとに直接届く機会はあまり多くありません。実際には、通訳対応を行ったスタッフから、間接的に声を聞くことがほとんどです。そうした中でも、「とてもスムーズにやり取りができて助かった」「これまでコミュニケーションに時間がかかっていたが、その時間が大幅に短縮された」といった前向きな声です。また、筆談では意図が十分に伝わらない場面も少なくないため、「第一言語である手話で直接会話ができてよかった」という感想をいただいています。
