「遠隔手話通訳サービス」の開発に着手し始めた時期を教えてください。
三浦:2003年に通信・放送機構(TAO)*3から助成金をもらい、「遠隔手話通訳サービス」の前身となる「電話リレーサービス」の開発を開始しました。翌2004年からはNICTの助成を受けて開発を進め、この年にIPテレビ電話を活用した「聴覚障害者のための代理電話サービス」と、「視覚障害者のための代理確認サービス」を実施しました。サービスを分けたのは、手話オペレーターが両方の業務に同時に対応することが難しかったためです。さらに2005年には、「IP電話を活用した遠隔手話通訳」と「窓口サポートの普及事業」を開始し、その後はビデオ通話機能の開発にも取り組みました。開発を進める中で多様なニーズがあることが明らかになり、それに応える形でサービスを拡充していきました。実証実験という名目ではありませんでしたが、代わりに約6,000人が在籍する「プラスヴォイスクラブ」のメンバーに実際に利用してもらい、フィードバックをもとにアップデートや新規サービスの開発を進めてきました。
*3 以前存在した総務省所管の認可法人(Telecommunications Advancement Organization of Japan)
「遠隔手話通訳サービス」を開発するにあたり、外せなかった点や苦労した点は何でしたか。
三浦:文字情報よりも手話のほうが理解しやすい場合があり、一方で難聴者の中には手話ができない方や、手話よりも音声認識のほうが使いやすい方もいます。このように、その特性や得意とするコミュニケーション方法は実にさまざまです。そのため、ろう者向けのサービスと難聴者向けのサービスを分けて提供することは、私たちにとって外せない重要なポイントでした。
現在、「遠隔手話通訳サービス」には、手話、音声認識、筆談、チャットなど複数の機能を搭載していますが、導入いただいている企業ごとに仕様は異なり、利用シーンやニーズに応じて使用される機能も変わります。このように、企業それぞれのニーズに沿った柔軟な仕様でサービスを提供できるようにすることも欠かせない要素であり、同時に開発において特に苦労した点でもあります。
