

今後一般的になると考えられるユビキタス環境においては、例えば一般家庭内における家電製品の制御や防犯などの実現のため、各種センサーやPDA(携帯情報端末)など、様々な異種デバイスを接続ネットワーク規模の大小に関りなく統一的に扱えるようにする必要があります。そこで本研究活動では、これらのデバイスの差異を吸収し、多様なアプリケーションのニーズに応えられるようなネットワークサービスプラットフォームの検討を進めています。このようなネットワークはオーバーレイネットワークと呼ばれ、我々は、国産オープンソースプロダクトであるPIAX(P2P Interactive Agent eXtensions)を拡張し、至る所に配置された膨大な数のセンサー情報を状況に応じて集約する技術(分散データフュージョン技術)や、地理的な配置やデータの特徴に基づいた重ね合わせ技術(構造化オーバーレイ技術)などの研究開発を行っています。それらの成果をJGN2plus上に展開することで、サービスプラットフォームとして様々なユーザーが活用できるように整備を進めています。大手町ネットワーク研究統括センターに設立されたSPARCにおいても、気象センサーを日本およびアジア中心に設置し、その情報を共有している広域センサーネットワークプロジェクトLive E!や、韓国情報社会振興院(NIA)において進められている同様のプロジェクトであるIP-USN(IP-Ubiquitous Sensor Network)等の外部プロジェクトと連携し、広域に存在するセンサー情報を柔軟に活用することが可能なプラットフォームの検討を進めています。また、ショッピングモールでの商品情報推薦サービスや、地域コミュニティのための見守りサービス、センサーネットワーク研究テストベッドなどへの展開を予定しており、これらの取り組みからサービスプラットフォームに求められる機能や運用上の課題を検討していきます。
Profile

連携研究部門 テストベッド研究推進グループ 専攻研究員
(大阪大学大学院情報科学研究科 准教授)