

インターネット技術を利用した様々な研究活動、教育活動は、Research and
Education Network (REN)として、世界中で相互に接続され、その活動は活発になってきています。その相互接続性はきわめて柔軟ですが、一方で、予想もできないトラブルも発生します。また、実験的要素も高く、市場で実験できないような通信方式の実験も行われます。このような、状態を正確に把握する技術開発を行うこと及び観測されたデータが利用者の技術レベルにあわせて理解できる形で表示されることを本研究活動の目的としています。具体的には、ネットワークの性能計測データを集めて共有することを、グリッド技術の標準化を推進しているOpen
Grid Forum(OGF)の定めたperfSONARにより、利用者が利用中のネットワークの状態を自動的に作成された図により、簡単に理解できる方式の実現に向けて研究開発を行っています。
SC08において、展示会場と関係機関の間で行われた様々な実験の通信状態を把握するため、perfSONAR のデータをもとにした、ネットワークの混雑度を色分けしてわかりやすく表現した構成図(
まるで天気図のようであることから、ウエザーマップと呼ばれます)を作成し、公開しました。このウエザーマップでは従来、直接の把握が不可能であった、日本〜米国〜展示会場間でのトラフィックならびに展示会場内のトラフィックも同時に把握することができ、利用者のみならず、SC08の会場ネットワークSCinetの運用グループおよび米国内のトラフィックをサポートしたInternet2から高い評価を得ました。今後はperfSONARをJGN2plusの一般利用者が利用する機会を提供し更に研究を高度化していきます。
Profile

連携研究部門 テストベッド研究推進グループ 主任研究員