情報通信研究機構 第6期中長期計画をスタート
2026年4月20日
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長: 大野 英男)は、令和8年4月1日から令和13年3月31日までの5年間を対象とする第6期中長期計画を開始しました。
近年、エネルギー消費の増大、自然災害の激甚化、サイバー空間上のリスクの増大といった社会課題に加え、地政学的緊張の高まりが顕在化する中、生成AIの急速な進化や量子技術をはじめとする先端技術の進展など、ICTを取り巻く環境はかつてない速度で変化しています。こうした急激な環境変化の中、イノベーションを創出し、経済成長と社会の持続性を両立させるためには、AIの活用をはじめとする社会全体のDXを一層加速させるとともに、変化を先取りして的確に対応するアジリティ(機動性)が重要となります。また、デジタル分野における海外依存が高まる中、国の安全保障の観点から、デジタルインフラの中核を担う重要技術における「自律性」と「不可欠性」の確保も強く求められます。
このような状況において、ICTが果たす役割は、国の競争力と安全保障を支える基盤技術としてますます重要となり、我が国の成長戦略の実現に不可欠なものとなります。NICTでは、こうした認識のもと、第6期中長期計画において、「AI・コミュニケーション」、「Beyond 5G」、「量子情報通信」、「サイバーセキュリティ」の4分野を、戦略的に推進すべき技術領域として定め、産学官連携の中核・結節点として、我が国の重要政策の実現に貢献してまいります。その際、各領域を相互に関連づけながら、研究開発から社会実装までを一体的に捉え、全体最適化の視点で技術とシステムを設計・統合するアーキテクトとしての役割を目指し、戦略的な取組を推進してまいります。
また、こうした戦略的取組を支える基盤として、機構の基礎体力となる5つの重点分野である、電磁波先進技術分野、革新的ネットワーク分野、サイバーセキュリティ分野、ユニバーサルコミュニケーション分野、フロンティアサイエンス分野における基礎的・基盤的な研究開発を着実に推進します。基盤研究から先端的研究までをシームレスに展開することにより、将来のイノベーションにつながる研究開発力の強化を図ってまいります。
さらに、限られたリソースを最大限に活用し、研究開発成果の最大化と迅速な社会実装を実現するため、基礎研究から社会実装までを産学官で一体的に推進するイノベーションハブ機能の形成といった社会実装・外部連携機能等について、NICT自らが多様な主体をつなぐプラットフォームとしての役割を意識し、強化して取り組んでまいります。
NICTは、「災害に強く、強靭な社会インフラの構築」、「安全で信頼できる情報通信環境の整備」、「DXを通じた効率化・合理化と新たな価値の創造」を目標に、関係する皆様と連携しながら、未来社会を支えるICTの創出に全力で挑戦してまいります。
別紙1
第6期中長期計画の概要
Ⅰ 研究開発成果の最大化その他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置
1. 戦略的に推進すべき技術領域
(1)AI・コミュニケーション
(2)Beyond 5G
(3)量子情報通信
(4)サイバーセキュリティ
2. 重点的に推進すべき基礎的・基盤的研究開発等
(1)電磁波先進技術分野…多様なセンサー等を用いた高度なデータ収集や様々な周波数帯の電磁波を用いた高精度な観測等に不可欠である基礎的・基盤的な電磁波技術として、リモートセンシング技術、宇宙環境技術、電磁環境技術 など
(2)革新的ネットワーク分野…地上から宇宙までを広範につなぎ、データの高速かつ確実な伝送を可能とするために不可欠である基礎的・基盤的なネットワークの重点技術として、ネットワークアーキテクチャ技術、フォトニックネットワーク基盤技術、光・電波融合アクセス基盤技術 など
(3)サイバーセキュリティ分野…サイバー空間における脅威から社会システムや国民を守るために高度化が不可欠である基礎的・基盤的なサイバーセキュリティ技術として、サイバー脅威インテリジェンス基盤技術、ヒューマン・センタード・サイバーセキュリティ技術、AI×サイバーセキュリティ技術、次世代暗号・プライバシー保護技術 など
(4)ユニバーサルコミュニケーション分野…AI及び関連するコミュニケーション技術に関して、コミュニケーションの高度化や価値創造につながる技術として、AIの創造性、多様性及び安全性を強化するAI複合体や能動的評価基盤等のAI技術、マルチモーダルデータ(画像、音声等)やコンテクストを扱えるコミュニケーション技術 など
(5)フロンティアサイエンス分野…次世代ICTの抜本的ブレークスルーにつながる先端的な基盤技術の研究開発・深化を通じた新たなイノベーションの創出や、豊かで安心・安全な未来社会を支えるICTの基礎となる新概念や新たな枠組の形成などに資するフロンティア領域のICTとして、先端ICT基盤技術、フロンティアICT技術、バイオインクルーシブICT基盤技術、脳情報通信基盤技術 など
3. イノベーションの基盤となる研究開発課題
(1)レジリエントICT基盤技術
(2)Beyond 5Gアーキテクチャ構成技術
(3)テラヘルツ波ICTプラットフォーム技術
(4)グローバル量子セキュアネットワーク技術
(5)Beyond 5G時代のテストベッド構築技術
(6)先端ICTデバイス開発基盤技術
4. 社会実装機能・外部連携機能等
(1)我が国発の技術の社会実装を促進するためのイノベーションハブ機能の強化
(2)研究資金配分機関としての機能の強化
(3)研究開発成果の社会実装推進体制の強化
(4)戦略的な標準化活動の推進
(5)積極的かつ戦略的な国際連携の推進
(6)国土強靭化に向けた取組の推進
(7)ICT人材育成の強化
(8)研究支援業務・事業振興業務等
(9)その他の業務
(2)研究資金配分機関としての機能の強化
(3)研究開発成果の社会実装推進体制の強化
(4)戦略的な標準化活動の推進
(5)積極的かつ戦略的な国際連携の推進
(6)国土強靭化に向けた取組の推進
(7)ICT人材育成の強化
(8)研究支援業務・事業振興業務等
(9)その他の業務
5. 機構法第14条第1項第3号から第5号までの業務
(1)周波数標準値の設定、標準電波の発射及び標準時の通報
(2)電波の伝わり方の観測、予報及び異常に関する警報の送信、並びにその他の通報
(3)無線設備の機器の試験及び較正
(1)周波数標準値の設定、標準電波の発射及び標準時の通報
(2)電波の伝わり方の観測、予報及び異常に関する警報の送信、並びにその他の通報
(3)無線設備の機器の試験及び較正
Ⅱ 業務運営の効率化に関する目標を達成するためとるべき措置
機動的・弾力的な資源配分、調達等の合理化、DXを通じた業務変革と働きやすさの向上、業務の効率化、組織体制の見直し
Ⅲ〜Ⅷ 予算計画、不要財産処分計画、その他主務省令で定める業務運営に関する事項 など
広報
広報部 報道室
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