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写真:理事長 大野 英男
理事長 大野 英男
このたび、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の理事長に就任いたしました大野 英男です。謹んでご挨拶申し上げます。

NICTは、情報通信分野を専門とする我が国唯一の公的研究機関として、情報通信技術の研究開発を基礎から応用まで一体的に推進するとともに、大学、産業界、自治体、国内外の研究機関との連携を通じて、その成果を社会へ還元し、イノベーションの創出に取り組んでまいりました。

今日、情報通信は単なる一技術分野にとどまらず、社会の安心・安全を支え、国の競争力や安全保障を左右する「社会基盤そのもの」となっています。また、情報通信は政府が掲げる「17の成長戦略分野」の一つであると同時に、あらゆる分野を下支えする共通基盤でもあります。
 
現在、世界各国は科学技術を国力の源泉と捉え、投資を急加速させています。特にAIの爆発的な進展は、研究開発の在り方を根底から変え、経済社会に革命的なインパクトを与えつつあります。激変する地政学的環境と相まって、重要技術における「自律性」と「不可欠性」の確保は、日本にとって喫緊の課題です。

加えて、自然災害、気候変動、新型感染症などの課題がある中、日本の競争力を高め、かつ持続可能で強靭きょうじんな社会を実現するには、セキュリティを担保しつつサイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させていくことが不可欠です。NICTは、情報通信分野の中核機関として、その実現に貢献していく責務を担っています。

第6期中長期計画においては、AI・コミュニケーション、Beyond 5G、量子ICT、サイバーセキュリティといった戦略領域を一体的に推進するとともに、研究開発、ファンディング、日本標準時や宇宙天気予報などの公共的サービスを横断的にマネジメントしていくことが求められています。その際に重要となるのは、個別技術を 俯瞰ふかんし、全体を設計・統合する「アーキテクト視点」です。

加えて、世界で何が起きているかをいち早く捉える情報通信分野の「インテリジェンス機能」を高め、急激な環境変化に柔軟に対応する「アジリティ(機動性)」を備えることで、NICTは我が国の情報通信を支える中核拠点としての役割を果たしてまいります。

また、NICTは情報通信における研究開発の「ハブ」として、産学官の多様な主体が集い、共創が生まれる「プラットフォーム」を構築することを目指します。大学や企業と連携し、十分なセキュリティを確保した「オフキャンパス機能」の提供などを通じて、研究開発と人材育成の新たな基盤づくりにも貢献してまいります。
 
今後もNICTは、情報通信を通じて社会の安心・安全と持続的発展に寄与すべく、変化を的確に捉えながら、戦略的かつ柔軟に挑戦を続けてまいります。関係の皆様におかれましては、引き続き格別のご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

国立研究開発法人情報通信研究機構
理事長 大野 英男