重点研究開発分野
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の第5期中長期計画期間(令和3年4月1日から令和8年3月31日まで)では、重点的に研究開発を行う5つの分野として、電磁波先進技術分野、革新的ネットワーク分野、サイバーセキュリティ分野、ユニバーサルコミュニケーション分野、フロンティアサイエンス分野の研究開発を進めます。また、政府戦略を踏まえ、Society 5.0の早期実現に向けた次世代ICT基盤に必要不可欠な先端技術として、戦略的に推進すべき研究4領域(Beyond 5G、AI、量子情報通信、サイバーセキュリティ)についても積極的に研究開発を進めます。
1.電磁波先進技術分野
電磁波を利用して、人類を取り巻く様々な対象から様々な情報を取得・収集・可視化・提供するための技術、様々な機器・システムの電磁的両立性(EMC)を確保するための技術(テラヘルツ波を含む)、効率的な社会経済活動の基盤となる高品質な時刻・周波数を発生・供給・利活用するための基盤技術、低コストで高効率な回折光学素子を実現するための基盤技術として、リモートセンシング技術、宇宙環境技術、電磁環境技術、時空標準技術、デジタル光学基盤技術の研究開発を行います。
分野紹介:電磁波先進技術分野
関連研究部署
キーワード
電磁波工学、電波伝搬、電磁界測定、電磁界解析、リモートセンシング、レーダ技術、光計測技術、衛星搭載センサ、宇宙天気、電離圏、磁気圏、太陽・太陽風、電磁両立性(EMC)、較正技術、電磁干渉、生体電磁環境、周波数標準、光時計、時系アルゴリズム、時空間計測、衛星測位、ホログラム光学技術、テラヘルツ波、Beyond 5G
2.革新的ネットワーク分野
Beyond 5G時代におけるSociety5.0の高度化による社会システムの変革に向かって、通信トラヒックの急増や通信品質の確保、サービスの多様化等に対応しうる革新的なネットワークを構築するための重点技術の研究開発を行います。Beyond 5Gで望まれる広帯域通信や超低遅延、高信頼などの機能を叶えるための光通信(基幹・アクセス)、無線通信(地上・衛星)、ICTデバイス、ネットワーキング等の基礎・システム技術、拡張性や柔軟性を高めるための光・電波融合、計算機能ネットワーク複合、NTN、レジリエントICT等の融合技術などを研究開発し、成果普及を推進して、Beyond 5G時代の社会を支えます。
分野紹介:革新的ネットワーク分野
関連研究部署
キーワード
3. サイバーセキュリティ分野
サイバーセキュリティ研究所では、巧妙化・複雑化するサイバー攻撃から我が国を守るため、NICTの中立性を最大限に活用し、産学官との緊密な連携によりサイバーセキュリティ研究開発の世界的中核拠点を目指します。また、政府の方針を踏まえ、サイバーセキュリティに関する演習、サイバーセキュリティ産学官連携拠点形成、パスワード設定等に不備のある IoT 機器の調査などの業務を実施します。
分野紹介: サイバーセキュリティ分野
関連研究部署
キーワード
4. ユニバーサルコミュニケーション分野
誰もが分かり合えるユニバーサルコミュニケーションの実現を目指して、日本語を中心とし分野に特化した高品質・大規模データベースを核とするAI研究基盤を構築し、文脈や話者の意図、周囲の状況等の多様な情報源を活用した実用レベルの自動同時通訳を実現する多言語コミュニケーション技術、自ら収集、構築した巨大学習データを用いて開発する巨大言語モデル等も活用しつつ、インターネット等に存在する膨大な知識を取得、推論等を行い、ユーザの興味や文脈に合わせた対話等を介して、得られた知識や推論結果を提供する社会知コミュニケーション技術、様々な種類・分野のパブリック/プライベートデータを連携させて実世界の状況分析・予測による行動支援を可能とするスマートデータ利活用基盤技術、空間・時間・身体の制約を超えたコミュニケーションを実現する技術等の研究開発とそれらの技術の社会実装に取り組んでいます
分野紹介:ユニバーサルコミュニケーション分野
関連研究部署
キーワード
5. フロンティアサイエンス分野
未来の情報通信に新たなパラダイムシフトをもたらす技術分野に関する研究開発を行います。例えば、化合物半導体、超伝導体、有機材料、バイオ材料等の新機能材料と高度なナノ加工技術等を応用した高機能で高効率な次世代機能デバイス技術、人工知能や機械学習を用い新たな機能を持つ材料やセンサー等を創出する技術、未利用周波数を利活用するための超高周波 (テラヘルツ)技術、量子力学の原理に基づき、究極の安全性、大容量特性、超高速演算を追求する量子情報通信技術、生物の有用機能を人工的に再現し、自然界の分子情報をICTで利活用することを目指すバイオICT技術等の研究開発を行います。 また、これらの技術に関係する発展・融合的分野の研究開発を行います。
また人間の脳機能を解析し、その情報処理機構に学んだ新しい情報解析・情報通信技術、また、それらを実現するための脳機能計測・解析技術や大量の脳機能情報を蓄積し利活用する技術等の研究開発を行います。
分野紹介: フロンティアサイエンス分野
関連研究部署
キーワード
6. 分野横断的な研究開発
Beyond 5G 時代を見据え、上記の5分野の研究開発と横断的に連携し、研究開発と社会実装の両面でオープンイノベーションの創出に寄与する分野です。具体的には、Beyond 5G における我が国の国際競争力強化及び先端的な要素技術の確立やその社会実装・海外展開、量子技術等における戦略的ICT人材育成、新たなサービスの検証等を可能とするテストベッドの構築・運用と新たな技術の進展に対応するための循環進化、Beyond 5Gの実現や社会課題の解決に向けた産学官連携による研究開発の推進、情報システムの構築・運用・管理をはじめとした機構内のDX推進及び情報セキュリティ等で活躍できる人材を募集します。
配属部署(想定)
キーワード
Beyond 5G/6G、超高周波・テラヘルツ波ICT、量子ICT人材育成、量子暗号、量子インターネット、テストベッド、技術実証、エミュレーション、分散広域実証、データ駆動型、サイバー空間とフィジカル空間の融合、異分野データ連携、オープンイノベーション、産学官連携、国際連携、グローバル展開、DX、情報システム、情報セキュリティ
その他、1~5の分野のキーワードの中からも選択可