NICT電磁波研究所 時空標準研究室は、光電話回線を利用した時刻供給サービス「光テレホンJJY」の正式運用を2019年2月1日(金)から開始します。
NICTでは、アナログ電話回線による時刻供給システム(テレホンJJY)を用いて日本標準時の供給を行っていますが、光電話回線に対応する新しい時刻供給の方法として、「光テレホンJJY」を開発し、2016年5月からその実験運用を行ってきました。光テレホンJJYは、従来のアナログ電話回線網による供給と比べ、高精度かつ高速な時刻同期を実現します。
日本標準時生成のための計測システム
日本標準時生成のための計測システム
NICTは、国立研究開発法人情報通信研究機構法に基づき、日本標準時の発生・維持・供給に関する業務を行っており、「標準電波」、「ネットワークによる時刻供給(NTPサーバ)」、「電話回線による時刻供給(テレホンJJY)」といった手法で、日本標準時を広く国内に供給しております。
インターネットに接続せずに安全に時刻を得ることができるテレホンJJYは、1995年のサービス開始以降アクセス数が徐々に増加し、現在では毎月約16万件のアクセスに達しております。主として、放送局、NTTの時報サービス「117」、交通機関等の重要機関における基準時計の同期などに利用されています。
NICTでは、より高精度、かつ、より高安定な時刻供給サービスを実現するため、光電話回線を利用した時刻供給システム(光テレホンJJY)の開発を進め、2016年5月から実験運用を実施してきましたが、このたび、2019年2月1日(金)から正式運用を開始します。
光テレホンJJYシステムは、現行のテレホンJJYと比較して以下の利点があります。
・従来の25倍以上の高速データ通信が可能なため、時刻供給精度が安定
・ホストシステムの冗長化により、故障・災害等によるサービスのダウンタイム発生を抑制
光テレホンJJYの利用方法は、以下のWebサイトをご参照ください。
http://jjy.nict.go.jp/hteljjy/index.html (ご利用には登録が必要です。)
   
(注) 現行のテレホンJJYは、光テレホンJJYの導入後もサービスを継続しますが、2024年3月末には同運用を終了させる予定です。 2024年4月以降に電話回線による時刻供給を受ける場合は、光テレホンJJYをご利用願います。

参考

光電話回線による時刻供給システム(光テレホンJJY)

光電話回線網を利用した標準時を供給するシステム。NICT内の親機には、NICTが開発した専用ハードウェアNTPサーバを活用し、プロトコルを改修することで、これまでのテレホンJJYと同等の情報提供を行う機能を持つ。
 
現行のテレホンJJYと比較した利点
① 現行のテレホンJJYの時刻同期精度(同期させた場合の誤差)は、最高で1ms(1000分の1秒)程度であるが、光テレホンJJYでは、1ms以下の時刻同期精度が得られる。
② 現行のテレホンJJYは、アナログモデムを使用したもので、通信速度は1200bps~2400bpsであるが、光テレホンJJYに使用する光電話回線の通信速度は、64kbps(最小値)であり、現行のテレホンJJYに比べ、26~52倍のデータ転送速度となる。これにより、短時間での時刻同期が可能となり、他者による回線占有(話し中)によって接続不能となることが少ない。
③ 光テレホンJJYでは、親機を国内に2局設置することによって冗長化を図り、故障・災害等によるサービスのダウンタイム発生を抑制
④ 現行のテレホンJJYでは、得られるデータがシリアルデータ(テキスト形式のデータ)であるが、光テレホンJJYでは、ネットワークで用いられるNTPと互換性のあるプロトコルを使用している(下図参照)。
 
テレホンJJYと光テレホンJJYの仕組みの違い
テレホンJJYと光テレホンJJYの仕組みの違い
実験運用の参照記事
実験運用に関しては、以下の報道発表をご参照ください。

用語解説

NTPサーバ
Network Time Protocol(NTP)を用いた、基準時刻を配信するパーソナルコンピューター等の時刻同期に用いるもの。通常のNTPサーバではソフトウェアで時刻同期用の処理(パケット処理)を行うが、NICTは、パケット処理をハードウェアで行うサーバを開発し、UTC(NICT)に直結したハードウェアNTPサーバを運用している。

 
*JJYは、国立研究開発法人情報通信研究機構の登録商標です。

本件に関する問い合わせ先

電磁波研究所
時空標準研究室

齊藤 春夫

Tel: 042-327-6985

E-mail: horonetアットマークml.nict.go.jp

広報

広報部 報道室

廣田 幸子

Tel: 042-327-6923

Fax: 042-327-7587

E-mail: publicityアットマークnict.go.jp