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Beyond 5G研究開発促進事業(一般型) 令和4年度継続評価 結果 (概要) (注)

種別 採択
番号
研究開発課題名 研究
期間
(年度)
受託者
(◎印:
代表研究者)
総合コメント 評価
Beyond5G機能実現型プログラム 基幹課題 04501 Beyond 5G超高速・大容量ネットワークを実現する帯域拡張光ノード技術の研究開発
研究開発項目1 帯域拡張光送受信技術の研究開発
研究開発項目2 帯域拡張波長多重光ノード構成技術の研究開発

副題:光ネットワークのビットレート距離積拡張に向けた帯域拡張光ノード技術の研究開発
R4 ◎富士通株式会社
本研究課題では、ビットレート・距離積の3倍程度の拡張、150 Gbaudの実現、S帯・U帯を含む波長資源の利用などを達成することを最終目標として各研究開発項目に取り組んでおり、今年度末には中間目標を100%以上達成することが見込まれている。各組織から多数の研究員が参加し十分な研究体制が構築されており、十分に高い遂行能力が見込め、組織間の有機的な連携も機能している。標準化活動や知財への取り組みも適切である。本課題はBeyond 5G実現に向けて世界的にも高い競争力を有する優れた研究課題であり、国費で実施する必要性・緊急性を有している。経費積算内容は妥当であり、社会実装や海外展開に向けて組織トップ等を含めた内外との強力な連携体制なども構築されている。
A
日本電信電話株式会社
古河電気工業株式会社
04601 Beyond 5G超高速・大容量ネットワークを実現する小型低電力波長変換・フォーマット変換技術の研究開発
研究開発項目1 小型波長変換・フォーマット変換用低電力デジタル信号処理技術の研究開発
研究開発項目2 小型波長変換・フォーマット変換用フロントエンド技術の研究開発

副題:大容量光ネットワークの利用効率向上に向けた小型低電力波長変換・フォーマット変換技術の研究開発
R4 ◎日本電信電話株式会社
本研究課題では、1Tbps超級の波長変換・フォーマット変換に対するビット当たり1/10の小型化と1/10の低消費電力化を実現することを目指しており、今年度末までに100%以上の達成度が得られる見込みである。標準化や実用化、知的財産取得に対する取り組みや、ビジネスプロデューサの配置等も適切である。
Beyond 5Gの実現には、本研究課題の目標である1Tbps超級の波長変換・フォーマット変換に対する10分の1以下の小型化と10分の1以下の低消費電力化の実現はインパクトが大きい。本研究開発を継続することで、国際競争力の向上への大きな貢献や多数の学術成果を獲得することで科学技術への発展への貢献も期待できる。引き続き動向調査を行っていただき、実用化を目指した取り組みを進めていただくことが望ましい。
S
三菱電機株式会社
日本電気株式会社
富士通株式会社
04701 Beyond 5G超高速・大容量ネットワークを実現する光ネットワークコントローラ技術の研究開発
研究開発項目 1 光ネットワークのコントローラ技術

副題:オンデマンドに End-to-End 光波長パスの設定・管理を行う光ネットワークコントローラ技術の研究開発
R4 ◎富士通株式会社
各研究項目で研究が順調に進捗しており、年度のアウトプット目標も年度末には十分に達成できる見込みである。研究開発運営委員会も開催されて幅広い観点から助言等をもらうなど有効に機能しており、オールフォトニクスネットワークの制御・管理の実現に向けて研究が適切に進んでいる。本研究課題の各組織は十分な研究遂行能力を有しており、参加組織間でも受託者間調整会議など様々な機会で適切に情報交換・共有に取り組んでいる。本課題では最新の規格や標準化動向の把握に積極的に取り組んでおり、今後も継続することで技術革新に十分対応できると判断する。さらに、将来の標準化・実用化を見越して研究開発に取り組んでおり、本成果の利用価値や適用範囲の大きさから十分な波及効果が期待できる。これまでの研究開発が順調に進んでいることから、今後の研究開発項目は目標を効率的に達成できる内容であると判断できる。以上のことから、本研究課題は順調かつ適切に研究開発が進められていると判断される。
本研究課題の重要性と社会的インパクトから、知財と標準化、および成果公開・発表にはについては可能な限り積極的に取り組んでいただきたい。また、他課題やNICT自主研究等との連携も検討を進めていただきたい。
A
日本電気株式会社
日本電信電話株式会社
04801 Beyond 5G超高速・大容量ネットワークの自律性・超低消費電力を実現するネットワークサービス基盤技術の研究開発
研究開発項目1 ネットワークサービス基盤技術

副題:超高速・大容量ネットワークの一元的な制御や電源最適化を実現するネットワークサービス基盤技術の研究開発
R4 ◎日本電気株式会社
本研究開発は無線基地局やネットワークの機能を仮想化することで、一元的な制御の実現と電源最適化を目指すもので、B5Gの実現に必要かつ重要な基盤技術を提供すると期待できる。研究計画と体制、研究開発の進捗と目標の達成状況、今後の実施計画等を総合的に勘案し、継続して実施する必要性が認められる。
これまでの研究の進捗状況は各研究開発項目ともおおむね順調である。全体として予算に見合った成果が得られており、費用対効果は適切である。研究開発の方向性はB5Gの技術開発のトレンドに沿っており、社会的な課題や商用システムの市場の動向などの外的な要件を考慮して目標設定が検討されている。今後の研究計画はよく練られており、目標を効率的に達成できる計画となっている。
大規模なプロジェクトであり、効率的な運営と成果の最大化の観点から、研究開発項目間の連携や研究開発成果の統合は課題と言える。受託者間調整会議(WG)で議論されているが、さらなる強化と成果の明確化を期待したい。知財獲得、研究発表、標準化活動については当初の目標設定が弱かったが、そこからの改善が見られる。今後の積極的な取り組みを期待する。外部の学識経験者を含んだ研究開発運営委員会は既に開催されているが、メンバーや得られたフィードバックについての報告を求めたい。
A
日本電信電話株式会社
富士通株式会社
株式会社NTTドコモ
Beyond 5G機能実現型プログラム 一般課題 04901 サイバーフィジカルインフラに向けた高信頼シームレスアクセスネットワークに関する研究開発 R4 ◎三菱電機株式会社
限られた研究期間ではあるが、既に一定の果実が得られている。研究代表者のリーダーシップの下で、良好な研究/連携体制が機能していると言える。特に100GHz、10W級GaN増幅器はBeyond 5Gを実用的なシステムとする上で極めて重要なデバイスとなる。そのため、より具体的なデバイス開発/システム開発のマイルストーンの設定がなされると良い。今後、さらに研究を進めて、最終目標を達成することを期待する。
A
学校法人早稲田大学
学校法人立命館 立命館大学
国立大学法人名古屋工業大学
一般財団法人電力中央研究所
公益財団法人鉄道総合技術研究所
05001 エラーフリーPOFによる革新的通信システムの開発 R4 ◎学校法人慶應義塾 慶應義塾大学
今年度は研究開発のスタートであったため、研究成果そのものは少なかったものの、研究開発はおおむね順調に進み、計画・実施体制は適切であったと考えられる。また、いち早く新しい規格に着目し、それを出口戦略に組み込むことで、一般消費者に直接浸透する可能性が期待され、研究開発の意義が一層高まったと判断される。来年度以降、具体的なエラーフリーPoFの試作・評価・実証を進め、トランシーバ開発、分散MEC環境構築、B5G向け映像システムなどを検討しているとのことなので、さらなる成果、社会実装、知的財産権の取得を進めてほしい。効果的な研究進捗のために、外部有識者による研究開発運営委員会を早期に設置し、適切な助言を受けながら研究開発を進めることをお願いしたい。
A
05101 日米豪国際連携を通じた超カバレッジBeyond 5G無線通信・映像符号化標準化技術の研究開発 R4 ◎シャープ株式会社
全体としての最終目標をRefineしてターゲットを明確にしてほしい。個々の開発目標も重要であり、それらの進捗は問題ないが、それが全体としてどのような成果物となるのかが掴みにくい。何を実現したいのか、何を実現するのかを明確にし、それに向かった研究開発となる様、最終目標を明確化していただきたい。構想にとどまっている項目2-bについても特に注力し、課題全体として、今回の研究開発はどのような製品に活かされるのか、それにより我々の生活にどんな変化をもたらせるのか、イメージを明確にしていただけることを期待する。
初年度では特許出願、標準化提案とも目標を大幅に超える見込みになっているなど、順調に始動したことが伺え、当初の最終目標へ向けて、研究活動の自信と熱意が感じられる。日米豪の国際連携に基づく研究開発であるので、今後の研究体制を適切に構築していくことが望まれる。この分野で標準化を主導できれば、社会的なインパクトや国民的利権も期待される。
また、ICT分野における社会的ニーズの変遷が年々早くなっていることを考えると、最終目標の深化、ユースケースの進化などのためにも、視野の広い学識者による「研究開発運営委員会」の積極的な活用を検討されたい。
A
国立大学法人京都大学
学校法人早稲田大学
大分朝日放送株式会社
05201 デジタルツインによるサイバー・フィジカル連携型セキュリティ基盤 R4 ◎株式会社KDDI総合研究所
おおむね順調に研究開発が進んでいる。外部発表と共に、実用化、標準化、知的財産の取り組みも含めて、画期的な成果やインパクトのある成果を期待する。それぞれ個別の成果だけに留まらず、連携体制での成果をより増やしていっていただきたい。現在の状況を考えると慎重にかつ迅速に研究成果を実用化することが重要である。実際に使われるシーンを念頭に置いてさらに詳細な研究計画・実施体制を立案、実施していくことをお願いしたい。
A
国立大学法人横浜国立大学
学校法人早稲田大学
学校法人芝浦工業大学
05301 高精度時刻同期に基づく超低遅延デジタルツイン処理基盤の研究開発 R4 ◎日本電気株式会社
研究実施期間が限られているためか、現時点での主要な成果が机上計算や問題の洗い出しがほとんどでシミュレーションなどが十分になされていない。但し、その限られた検討から成果を期待させるアイデアや、実験結果も得られている。今後、これらが優れた研究成果につながることは期待できる。一方、一部の研究項目では研究計画の妥当性さえ判断できないレベルにある。さらに運営委員会の構成もいまだ検討段階であり、知財や実用化・標準化に向けた取り組みも遅れている点に鑑みて、研究開発に対する準備や基礎検討が十分でなかったのかもしれない。いずれにせよ、今後の研究開発の実施においては、当初予定されていた研究成果を着実に達成することは無論のこと、運営委員会で適切な助言を得た上で、組織間での連携を取りながら、ユースケースを十分に考慮したシステムの構築を目指すべきである。また、今後の報告書には、どの研究経費がどの研究成果に結びついたのかを明確にして欲しい。
A
株式会社スペクトラ
05401 ShonanFutureVerse: 仮想都市未来像にもとづく超解像度バックキャスティングCPS基盤 R4 ◎東日本電信電話株式会社
計画は魅力的なものであり、今後いかに具体化していくかが重要と考えられる。研究開発運営委員会や自治体とのミーティングなどによる課題の抽出は具体的であり、今後の展開に重要な役割を持つと考えられる。組織が大規模なので全体の運営管理を行い、研究機関の間での連携を図ってほしい。最終年度に見栄えのするデモ等があることを期待する。
2022年度の目標は達成可能な見込みである。湘南地区の未来都市像を見せるショーケースとしてのインパクトと波及効果は大きく期待されるところである。一方で、研究計画の方向性は大変魅力的であるが、各研究項目の具体化、連携を通し、科学技術としてどのような貢献を生み出し社会に広めるかについて、さらなる検討を期待したい。
現時点で大きな変更は予想されないため、実施計画に沿って進めるのが良いと考えられる。研究開発課題間の連携を強めながら、プロトタイプの実現も念頭に置いて進めることが望ましい。Beyond 5G技術に関する貢献については、研究グループ内で議論を尽くしていただきたい。
A
学校法人慶應義塾 慶應義塾大学
国立大学法人京都大学
国立大学法人東京大学
株式会社アイ・トランスポート・ラボ
カディンチェ株式会社
株式会社ゼンリンデータコム
国際共同研究型プログラム 05501 低遅延・自律性を実現するフローティングサイバーフィジカルシステムと広域連携の研究開発 R4 ◎国立大学法人九州工業大学
今年度のアウトプット目標は年度末までに達成が見込まれ、研究進捗は全体として順調である。研究開発の構想は明確である。今後の研究計画については当初計画から変更はない。最終目標に向けた計画や実施体制は特段の問題ないと判断する。ただし、特に実証実験に向けた各研究開発項目の成果の統合については計画の強化をお願いしたい。
F-CPSとその広域連携はBeyond 5Gの実現に必要な技術であり、重要性を評価できる。一方で、Beyond 5Gに向けた有効性についてはさらに明確にする必要がある。国際連携については、国際共著論文の投稿、国際ワークショップの開催など、工夫しながら進められている。今後、実証実験や社会実装に向けた取り組みにおいて国際連携を本格化することを期待する。
A
株式会社KDDI総合研究所
05601 City as a Serviceを支えるデジタルツインを持続可能な状態で自己成長させるエコシステム R4 ◎学校法人早稲田大学
本研究の開発項目およびその実施内容は計画どおりに進捗しており、各項目の達成状況から、実施体制は適切であり、Beyond 5Gの実現に関する技術提供が期待できる。一方で、本研究の重要なキーワードである「自己成長」や「新しい価値」などの定義やどのような効果が期待できるかは明確になっていない。今後の研究開発においては、本研究の特徴であるキーワードの具体化について再度検討し、本研究開発の最終目標を明確化することが強く求められる。また、国際連携についも、共同研究としての連携を強く意識した加速が必要と思われる。初年度の外部発表等成果から、次年度以降の研究成果数値目標は適切である。以上から今年度の研究評価は適切と判断した。
A
学校法人芝浦工業大学
学校法人片柳学園東京工科大学
株式会社ガイアックス
学校法人福岡大学
シーズ創出型プログラム 05701 上空プラットフォームにおけるCPS を活用した動的エリア最適化技術 R4 ◎ソフトバンク株式会社
計画は具体的なマイルストーンにブレークダウンされており、それらが着実に達成されている。また、一部は、計画よりも進捗している。即ち、ここまでの研究・開発の推移から判断するに、十分な実施体制が組まれていると判断できる。従って、予算に見合った成果が得られている。
マイルストーンの達成は、年度毎の目標を達成を意味しており、現状では問題なく進捗していると言える。最終目標が未だ達成されていない現状では、波及効果は見えないが、目標達成後には大きな波及効果が期待できる。
今後、実証実験に向かって研究計画が立てられており、それを着実に達成すれば目標が達成されることは十分に期待できる。但し、実際のハードウェアの特性により今まで得られた数値的な研究成果を見直す必要がある可能性があり、今後のより精力的な研究が期待される。
S
学校法人慶應義塾 慶應義塾大学
05801 リアルタイム暗号技術とプライバシー保護への拡張 R4 ◎兵庫県公立大学法人 兵庫県立大学
本研究開発は順調に進捗しており、初年度としては質・量ともに優れた成果である。次年度以降も引き続き高い研究成果が得られることが期待できることから、継続に値する課題である。一方で、知的財産・標準化・実用化に向けても初年度の計画どおりに進められてはいるが、その最終目標の実現に向けて、より緻密なプランニングが必要である。最終目標に資するように次年度以降の予算の使い方については工夫していただきたい。学術的な成果に加え、社会への波及や普及、国益の最大限の確保を意識して今後進められることを期待したい。
S
GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社
05901 単原子長ゲートによる低環境負荷物質から成る高出力THz帯増幅器の創出 R4 ◎国立大学法人東北大学
全体の研究目標達成に向けて、適切に設定された年度目標が順調に達成されている。研究体制の柔軟で迅速な補強が行われており、プロジェクトマネジメントも適切に行われていると判断される。2023年度の目標であるデバイス作製では、各研究機関の密接な協力が必須であるが、実現できる環境が構築されているものと思われる。2023年度以降の研究計画は実績に合わせて適切に策定されており、研究を継続することが適当と判断する。
コンタクト部分など技術的難易度が高く、最終目標の達成に対して及ぼす影響が大きいと予想される項目を精査し、想定どおりに研究が進まなかった場合の対策を研究計画に含めておくことが望まれる。
A
国立研究開発法人産業技術総合研究所
国立大学法人東京大学
国立大学法人筑波大学
国立大学法人広島大学
06001 Beyond 5Gに向けた高速ビームステアリング技術の研究開発 R4 ◎学校法人立命館 立命館大学
本研究が、技術的に重要で大きな課題にチャレンジしようとしていることは評価できる。ただ同時に危惧されるのは、高速走査に伴う無線スペクトルの拡大である。もしこれが有るとすると、その拡大の抑制が必須であり、この技術開発も合わせて実施することが本委託研究のテーマを社会実装するための必要条件となる。これについては優先的にご対応していただきたい。
研究成果については適宜発表されており、評価できる。今後は海外での発表も含めてご対応いただきたい。
また運営委員会では、無線システムへの具体的な適用などについてもできるだけ幅広く、かつ技術的に深い議論と適切なコメントがいただけるメンバーを募り、本研究の意義を高め、社会実装へのアプローチを可視化するような議論をしていただきたい。
A
学校法人湘南工科大学
学校法人早稲田大学
06101 サイバネティック・フロントエンドを無線化する追従型テラヘルツリンクの研究開発 R4 ◎国立大学法人東京大学
様々な大容量データの無線通信を可能とする分散配置可能なテラヘルツビーム走査アンテナのネットワーク化に係る研究。テラヘルツビーム走査アンテナの応用範囲は広く、実現すれば社会生活に一定のインパクトを与えると思われる。実績のある研究者が参画して、当初計画が順調に進められている。実質半年の研究ではあるが、特に通信基盤構築については着実に進捗している。今後、論文や知財の積極的な創出を期待したい。
テラヘルツビーム走査アンテナの応用としてのボリュメトリックセンシングに基づく認識行動支援技術については、基礎研究の積み上げが必要と思われる。目標のさらなる具体化を、運動学習や空間認知の専門家を含む研究者の知見を取り入れ、テラヘルツ通信基盤のなかにおけるデバイス利用について社会ニーズに適用できる青写真が提示されることが望ましい。新規性・学術性の高い成果の創出にあわせて、テラヘルツ波利用における社会における波及効果がある成果が望まれる。
A
06201 屋内CP空間連携に向けた先端半導体−メタサーフェス融合技術の実証実験 R4 ◎国立大学法人名古屋工業大学
着実に研究成果を上げつつあるが、一方でSUMでも指摘のあったとおり、無線通信技術として実用化できるのか、データレートやスペクトル効率の点からも評価すべきであると考えられる。基礎研究としては興味深いが、B5Gへの応用を謳うのであれば、無線通信や電波伝搬の専門家など複数名からなる客観的な評価および助言が得られる運営委員会を構成するなどにより、実用化を見据えた客観的な技術アドバイスを受けられる仕組みを導入された方がよりインパクトのある成果につながるのではないかと考えられる。即ち運営委員会の開催と、そこでの助言あるいは新たな研究課題に対応するための研究計画・実施計画の練り直しも検討すべきと考える。
A
国立大学法人京都大学
06301 会話AIエージェントとの高臨場感インタラクション体験実現のためのXR通信基盤の研究開発 R4 ◎株式会社エキュメノポリス
高い臨場感をもった会話AIエージェント技術の開発と実装に関する研究開発である。研究計画は具体的である。研究実施体制については将来に向けた拡充も計画されており、おおむね妥当である。なお、同様の技術開発や試みもすでに行われていると考えられ、研究成果を確実なものとするために、他の企業・大学との連携を積極的に進めることを期待したい。費用対効果は十分あると思われる。
研究開発の開始から短期間での評価であることを考えると、達成状況については一定の評価は与えられる。ただし、今後は実証実験を適切に行い、論文や知財等に関する成果を具体的なアウトプットとして、積み重ねる必要がある。英会話教育など魅力的なターゲットもあり、基盤技術の提供が教育効果として明らかにできれば波及効果も見込めると考えられる。開発されている技術は応用範囲が広いことから、順調に進展すれば、国民生活の向上に資する成果を生み出すものと期待される。
今後の目標及び実施計画は妥当であるといえる。
A
06401 多重自律マイクロモビリティのためのハイパーデジタルツイン基盤 R4 ◎株式会社ハイパーデジタルツイン
年次目標として、目標数値を満たす仕様が設計できているか否かの確認が難しいが、総合的にみて要素技術研究は適切に行われていると判断する。論文発表や広報は、数値目標以上でありデモ実験に関しては、設計仕様の要件よりは小規模スケールではあるが、予定を前倒しして実施されている点は高く評価できる。ただし、今後の目標と波及性については、より明確な戦略、戦術を示してほしい。特に、B5Gを志向した要素技術として、適切な技術要件を満たすコアとなる新規技術を明確化していただきたい。
新聞に取り上げられ、記事が掲載された点は高く評価できる。その一方、特許の申請数が国内1件のみであるので、海外特許も含め、多くの特許出願を目指していただきたい。
A
学校法人芝浦工業大学
<総合評価 S:非常に優れている、A:適切である、B:やや劣っている、C:劣っている>
(注) 本継続評価結果を踏まえ、上記課題はすべて令和5年度までの研究開発の継続を可とする。