NICT発技術で現場の課題を解決
ダイハードネットワーク
~災害等により通信網が途絶しても運用可能なレジリエントな情報通信システムを提供~

防災情報通信システムの課題
防災・減災のための情報通信システムに求められる機能・性能として、
- 災害時でも防災拠点間で確実につながる通信手段を有し、システム連携・情報共有が可能であること
- 誤聞・誤伝を誘発する音声のみでなく文字や画像などのデータ主体の情報伝達を可能とすること
- 通信網が途絶しても各防災拠点での業務の継続が可能であること
- 収集した情報の一元的な集約・管理・分析を行えるシステムであること
が重要な要素となってきています。しかしながら、これまでこれらの要求をすべて満足するような情報通信システムはありませんでした。ダイハードネットワークは、この課題を解決するために考案した防災情報通信システムのコンセプトです。
ダイハードネットワークのコンセプト

ダイハードネットワークのコンセプトに基づく情報通信システムでは、
- 各拠点施設や車両等の移動拠点にサーバを設置し、拠点内での自律したシステム運用を可能とします。
- サーバ間を使用可能な様々な複数の通信手段を駆使して同期・連携し、遠隔地とのデータ共有を実現します。
- 通信網が途絶した場合でも、データを移動体が運んで届けて共有するという、遅延耐性のあるデータ同期・連携を可能とします。
- 拠点内や拠点間でのシステムへのアクセス・接続において認証・アクセス制限を行い、セキュリティを確保します。
そのため、各拠点では、公衆通信網の通信状況に依存せずに、安全に情報を届けられ、自律的にもシステム運用が行えます。さらに、データをすべての拠点で共有して保持するため、システム全体として情報欠損を防止することができます。

令和4年度高知県総合防災訓練・地域防災フェスティバルでダイハードネットワークの具現化事例であるポータブルSIP4Dを動態展示

2022年5月28日に開催された令和4年度高知県総合防災訓練・地域防災フェスティバルに、内閣府SIP第2期『国家レジリエンス(防災・減災)の強化』の研究開発課題「避難・緊急活動支援統合システムの研究開発」に参画する複数の研究機関とともに参加し、ダイハードネットワークの具現化事例であるポータブルSIP4D(※)の動態デモ展示を行いました。
(※) ポータブルSIP4Dにおける黄色の筐体(ダイハードネットワーク構成装置)は、Scenargie®ソフトウェアを用いて実装され、高速な通信安全性の確保機能(特開2021-108419)を搭載
(※) ポータブルSIP4Dにおける黄色の筐体(ダイハードネットワーク構成装置)は、Scenargie®ソフトウェアを用いて実装され、高速な通信安全性の確保機能(特開2021-108419)を搭載