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委託研究により開発された最先端技術は、身近な製品・サービスから情報通信インフラの構築まで、実用化に向けた技術開発に大きく貢献しています。

光通信技術

◆100Gbps級信号伝送に関わる電気信号処理技術
・1000km級大容量光ネットワークにおいて、複数の100Gbps級信号を、自由に伝送が可能となる ための、各種デジタル信号処理要素技術を確立
・その成果が総務省直轄委託研究に展開され、100Gbps統合基盤技術として有効性を確認、その後、100Gbps級伝送システム、光トランシーバ、DSP-LSI等が製品化されグローバルに市場展開

◆マルチコア・マルチモード光ファイバ技術
世界初のマルチコアファイバを用いた、大洋横断級長距離における既存商用光ファイバの限界を超える大容量伝送(100Tbps毎秒)実証に産学の連携で成功

◆400Gbps級信号伝送を実現する適応デジタル信号処理要素技術
・光ネットワークの更なる大容量化を 可能とするために、100Gbps超級の信号伝送を可能とする各種適応デジタル信号処理要素技術を確立
・その成果が総務省直轄委託研究に展開され、既存の100Gbps級伝送システムにおいて、現行の4倍の高速通信を実現できる400Gbps光信号による長距離伝送フィールドトライアルに成功

光通信技術の主な委託研究課題を示すマップ

通信基盤技術

◆様々なネットワーク環境を可能にするネットワーク仮想化技術を標準化
高速大容量の超高精細映像配信や膨大な数のセンサーから送られるセンサーデータの収集と共有など、多様なネットワークサービスに対応するため、必要な資源や機能を有する仮想的に分離したネットワーク環境を、動的に複数同時に生成・構成する技術を開発
情報通信基盤技術として標準化 (ITU-T Y.3011, Y.3012)

◆ネットワーク仮想化基盤のグローバル展開
異なるアーキテクチャや実現方式であるNICTのJGN-X上のネットワーク仮想化テストベッドと米国NSFが推進する北米ネットワーク仮想化テストベッドGENI、欧州のネットワーク仮想化テストベッドFed4FIREを相互接続し、国際的な広域テストベッド上での相互接続を実現

放送関連技術

◆4K/8K映像放送・配信のための圧縮技術
・4K/8K対応MPEG HEVC/H.265エンコーダに関わる製品展開を通じて、総務省が推進する4K/8K放送の早期実現に貢献
・8K/4K/HDTVのスケーラブル伝送方式の開発・実験を通じ、現行受信機との後方互換を保持しつつ、高精細・マルチフォーマット映像の高効率配信を実証
・家庭用光通信ネットワークやモバイル向けサービスにおける映像コンテンツの高品位化を推進

◆立体映像用超高精細映像技術
走査線8000本級映像技術によるインテグラル式立体テレビシステムの研究開発から生まれた、超高精細表示技術である画素ずらし法("e-shift"技術)が、8Kプロジェクタの開発に貢献

超高周波ICT技術

◆ハンディテラヘルツ(THz)カメラ
・周波数が1THz前後の電磁波(テラヘルツ波)で映像を撮影できる携行可能なハンディテラヘルツカメラを開発
・封筒内のカミソリのような、肉眼では見えない危険物を検知
・本カメラに搭載の2次元アレイセンサ(室温動作)は、0.5~0.6THzの周波数領域において世界最高感度を実現

電磁波センシング技術

◆フェーズドアレイ気象レーダ
・高速かつ3次元的に密な観測を行うことのできるフェーズドアレイ気象レーダを開発
・雨雲の動きの詳細な可視化を実現するとともに観測データの一部とアプリを公開

◆木造家屋向け非破壊検査装置
・今まで木造家屋向けの非破壊検査装置は存在していないことから、木造建築物内部を3次元的にイメージングするレーダ装置を開発
・将来、木造建築物の健全性診断用途に展開予定

量子情報通信技術

◆光子を使い、原理的に盗聴できない暗号通信を実現
・世界最高性能の実用的量子鍵配送装置を開発
・敷設網環境で信頼性試験と次世代技術開発を実施中
・NEC、実用化に向けた評価実験をサイバーセキュリティ・ファクトリーで平成27年7月から開始
・東芝、ゲノム解析データの暗号通信へ適用、実証試験を平成27年8月から開始

最近の取り組み

◆「ソーシャル・ビッグデータ」に関する研究開発を推進
NICTにおいては、「ソーシャル・ビッグデータ」に関する一連の研究開発、実証実験を可能とするテストベッド(モバイル・ワイヤレステストベッド)を利用した研究を推進しています。

◆委託研究における自治体との連携
研究成果の有用性を検証する目的で実際の運用場面を想定した実証実験を自治体(三鷹市、藤沢市、金沢市、加古川市、塩尻市など)と連携して実施中