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平成29年度委託研究中間評価(延長判定)結果(概要)(注)
採択
番号
課題名 研究
期間
(年度)
受託者
(◎印:
代表研究者)
主な評価コメント 評価
18901 光トランスポートNWにおける用途・性能に適応した通信処理合成技術の研究開発

副題 再構成可能100G 超級インタフェース・パケットオプティカルノード構成技術の研究開発
H28
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H31
◎アラクサラネットワークス株式会社
計画以上の粒度で監視ができること、商品として世に出す可能性が高いこと、拡張性に関してもシミュレーションで保証して技術的優位性を主張できる体制にあり、実用化研究として優れた成果を出しており、最終成果も期待できる。
監視関係は標準化しなければならないところがあると考えるが、そのためにはデモ展示等、実装の証拠固めを今後実施しなければならない。標準化に向けて会社としてこのプロジェクトへのサポートを期待したい。
S
日本電信電話株式会社
学校法人慶應義塾
19101 未来を創る新たなネットワーク基盤技術に関する研究開発

副題 IoTインタネットを支えるプライバシー保護ルーティング・輻輳制御技術
H28
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H32
◎国立大学法人大阪大学
本プロジェクトにおけるIoTの実現に向けた位置秘匿通信・輻輳制御の基盤技術確立は非常に重要な研究課題であり今後の進展が期待される。ほぼ目標に近い成果を上げつつあり、Sに近いAと判断する。
今後、ネットワークアプリケーションのプラットフォームとして期待が高まっているクラウドソーシングに、現在研究が活発化しているICN技術とABEを適用するという、良い着眼点をベースにさらなる具体的アプリケーションでの有用性実証を進めていただきたい。
なお、中核技術と思われるマルチキャストクエリ送信エリア選択方式については具体的な想定アプリケーションを設定し、通信トラフィック量に配慮しつつも秘匿性能を大きく犠牲にせず、アプリケーションの要求性能を十分に満たすための設計方針の確立に向けて取り組んでいただきたい。
活動面では、ICNRGのパートナーとの連携も利用して、標準化への提案を中心に国際的なアピールを積極的に行う必要がある。他機関との協力を強力に進めてNDNのコミュニティの主要メンバとなり、IRTF、将来のIETFでのプレゼンス発揮に努めていただきたい。
A
パナソニック株式会社
19102 未来を創る新たなネットワーク基盤技術に関する研究開発

副題 高密度、高モビリティおよび超多数ノードを収容できるワイヤレスネットワーキング法の研究開発
H28
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H32
◎公立大学法人大阪市立大学
ヘルスケアを対象とした実際に動作可能な大規模モバイルセンサネットワークの技術確立は非常に重要な研究課題であり今後の進展が期待される。進捗状況もほぼ計画どおりであり、中間目標もほぼ達成されていることから延長することが望ましい。以上の理由から判断をAとするが、当初より課題であったスポーツ以外の適用分野を開拓し、国民の利益、社会的インパクトへの貢献をより大きくしていただきたい。またワイヤレスネットワークの位置づけとして、セルラー網をも含めて、他の技術との比較評価を行っていただきたい。特にセルラネットワークを過小評価している感があるので、その点も含めての検討を期待する。
A
学校法人関西大学
学校法人明治大学
沖電気工業株式会社
株式会社ソリトンシステムズ
19103 未来を創る新たなネットワーク基盤技術に関する研究開発

副題 IoTの将来環境を創るセキュアで省電力な網内自己学習型ネットワーキング技術
H28
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H32
◎国立大学法人大阪大学
当初の目標をほぼ達成して進めているのでAと判定する。
他の最新技術との差別化の明確化をしていただきたい。また、ABEとエッジコンピューティングは既に様々な研究機関での研究が活発化しており、これらの実用版を注視ながら進めることが必要である。NICTのエッジコンピューティング重視の方針とも方向性は合致する。これまでの設定目標通り、分散深層学習をセンサネットワークのトポロジに合わせて埋め込むことで、BEMS、転倒検知をはじめとする広い領域での有効性を実証していただきたい。
省電力センサノード、環境状況把握を目的としたノード間の通信による網内深層学習、FIBレスルーティング、各々が重要な研究課題であり今後の進展が期待される。研究の進捗状況はほぼ計画どおりであり、中間目標もほぼ達成されていることから延長することが望ましい。分散CNNについては現状はシミュレータによる学習精度評価が行われた段階で、今後の実機評価ではクラウドと比較した処理速度評価が一つの鍵となる。Senstickによる網内学習実施の処理速度が想定アプリケーションの運用における要求条件を満たすかどうか等の観点で定量評価を行っていただきたい。
A
株式会社KDDI総合研究所
国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学
19104 未来を創る新たなネットワーク基盤技術に関する研究開発

副題 時空間ダイナミクスの記述を可能とする拡張Bow-Tie構造に基づく進化発展可能なネットワーク化情報処理基盤アーキテクチャの創出
H28
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H32
◎国立大学法人大阪大学
研究内容はAと判断する。Bow-Tie構造に着目し、環境変動への耐性を持つシステムの理論的検証、システムアーキテクチャの構築、有効性実証という壮大なテーマであるが、研究体制や他機関との協力に関しても今後の一層の強化を期待したい。また、ネットワークを対象としないNICTの脳情報処理研究Gとの交流は重要であり、人間の情報処理と本研究との類似性(アナロジー)や異質性(もしある程度明確にあれば)を可能な限り明らかにしていただきたい。
本研究は、NFV/MANOの潜在能力を引き出す研究課題として今後の進展が期待される。研究の進捗状況もほぼ計画どおりであり、最終年度までにサービス実証実験まで実施できる見込みであることから、さらに研究を継続させ、代表的なユースケースを可能な限り設定し、各々で扱うフロー数が膨大になった場合のスケーラビリティについてご検討いただきたい。
A
19105 未来を創る新たなネットワーク基盤技術に関する研究開発

副題 社会インフラ高度化を促進する脳情報処理機構に基づくネットワーク基盤の研究開発
H28
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H32
◎日本電信電話株式会社
ほぼ中間目標を達成し、研究実施体制も適切であり、Aと評価できる。
トラフィック理論、脳情報処理の新しい研究成果を取り入れながら、より広い応用への適用の追求も進めていただきたい。輻輳制御に対する、Bayesian Brain仮説に基づく脳情報処理(BAM)、モデル化、制御理論構築、生物の集団意思決定に基づく複数ネットワーク間制御の有効性の見通しをつけていただきたい。AIはディープラーニングが本流との見方があるが、ベイズ推定もディープラーニングでは不可能な特徴があると考えられ、本研究でその一端でも明らかにしていただきたい。
過去のトラフィック情報から過負荷を発生しやすい基地局および負荷の変動が生じやすい基地局を特定し、それらのトラフィックを重点的にモニタリングして必要に応じてオフロードを行うことで、過負荷を解消するまでの時間を従来よりも短縮した方式を提案しており、評価できる。研究の進捗状況はほぼ計画どおりであり、最終年度までにサービス実証実験まで実施できる見込みであることから、延長することが望ましい。過負荷に至るトラフィック変動が網内で生じる空間分布パターン、発生トラフィック形態の違いに応じた様々なユースケースを設定して設計・評価を行い、より実用性の高い手法にブラッシュアップしていただきたい。
A
国立大学法人大阪大学
19106 未来を創る新たなネットワーク基盤技術に関する研究開発

副題 防災・減災学的知見に基づくICTシステムの知的化に関する研究開発
H28
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H32
◎国立大学法人東北大学
これまでは机上検討が中心で中間評価としても成果がやや見えにくく、有効性の検証を行っている点から成果としてはBに近いAと判定する。今後に期待したい。
防災・減災の知見のICTシステムへの適用によりICTシステムを知的化することを一つの目標とするが、研究方法、成果の見せ方、実証実験方法がやや不明確である。活用するネットワーク、適用する災害対応以外のアプリケーション等で具体的に成果を見せていただきたい。NerveNetを含め耐災害ICTセンターのシステムとの連携も通して、実証実験で終わらない平常時の運用方法について検討していただきたい。
中間目標としていた、システムの状態を定義して有効能力を評価する手法の新規提案、実証実験による有効性の検証を行っている点は評価できる。アプローチを修正し防災・減災学的知見を反映させた独自技術が提案される余地は残されており、今後の検討を期待する。
A
総合評価の評価点 S:非常に優れている A:適切である B:やや劣っている C:劣っている

(注)本中間評価結果を踏まえ、課題189を平成31年度まで、課題191の6課題全てを平成32年度まで契約を延長することとした。