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令和3年度委託研究中間評価 (延長判定) 結果 (概要) (注)

採択
番号
研究開発課題名 研究
期間
(年度)
受託者
(◎印:
代表研究者)
総合コメント 評価
21801 高度自動運転に向けた大容量車載光ネットワーク基盤技術の研究開発

副題:多機能光集積回路を利用した高信頼大容量車載光ネットワークの研究開発
R2
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R3
◎学校法人慶應義塾
車載光ネットワークSiPhONを新たに確立し、その主要構成要素であるマスター装置、ゲートウェイ装置などの詳細設計、シミュレーション及び実証実験を計画以上に進捗させ、その結果、MD光回路をキーデバイスとする両装置、ゾーン分割型の低遅延ネットワーク構成法、同期方式、4K映像のユースケースを想定した実装など、高いレベルで成果が出ている。実施体制、各個別課題の協力連携体制、協力者となるファウンダリを介した試作を行うなど、費用対効果も優れている。
以上より、最終目標に対する見通しも明るく、その実施計画も適切であることから、今後も順調に当初目標以上の成果が得られると期待できる。最終的には多くの自動車会社で本機構を採用するに至らせる必要があり、その障壁は大きいと予想されるが、当該最先端技術を礎としてアグレッシブに進めることが期待される。
S
古河電気工業株式会社所
株式会社メガチップス
国立大学法人東京大学
国立大学法人大阪大学
21901 Beyond 5Gにおける衛星-地上統合技術の研究開発

副題:衛星-地上統合技術の情報収集、技術確立及び有効性確認
R2
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R3
◎日本無線株式会社
研究開発の進捗状況は、コロナ禍の影響により一部に若干の遅れが見られるものの、全体としては概ね順調といえる。B5Gにおける衛星と地上の統合技術の確立は引き続き重要な課題であり、当初の研究開発目標と計画にそって着実に成果を上げることを期待する。加えて、欧州との協働を通じて、5Gネットワーク拡大に向けた衛星回線の利用方法について貴重な知見が得られつつある。今後の発展に期待したい。
本研究課題の波及効果の観点から、標準化、知財取得については、より積極的な検討をお願いしたい。
A
スカパーJSAT株式会社
国立大学法人東京大学
22001 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第3回)

副題:AI・IoTを活用した北海道における次世代施設栽培の確立
R2
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R3
◎国立大学法人室蘭工業大学
本研究では、短期収量予測において、成果が中間目標の100%に満たない項目があるが、「熟度への画像応用」など代替案を含めた工夫が見られるので今後キャッチアップができると考える。
また、特許申請を行っているが、広範囲な特許であるため特許反訴の可能性がある。したがって研究を継続し精度向上を図る一方で、範囲の限定も考慮して登録できるような工夫が必要になることも考慮されたい。
当該研究は、北海道の特定地区、特定品種だけでなく、環境制御型の植物工場への展開も期待できる。事業化にあたっての売り文句(StrongPoint)を明確にして、ビジネス展開を考慮いただきたい。
本研究プロジェクトの課題を、そのまま全て実現するには時間・予算・労力的に負担が大きい。よって課題のなかのどの部分に注力し、どのようなアウトプットを目指すかを、これまでの研究経過を踏まえて具体的に再設定し、広く利用される技術を実用化・普及させることを目標に研究協力者とも密に連携しながら研究を進めていただきたい。
A
エア・ウォーター株式会社
22002 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第3回)

副題:人や様々なモノの接点を検知するイメージセンサネットワーク基盤の構築
R2
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R3
◎国立大学法人京都大学(~2021.3.31)
LiDARを用いたデータ収集、さらに実験的アプローチによる低レート高精細イメージセンサネットワークの検討、エッジサーバにおけるイメージセンサデータ高速処理技術の開発といずれの研究開発項目も大変順調に目標を達成している。進捗結果を踏まえ、最終目標の達成に向けた計画も、10地点での実証実験を進め、具体的な計画が準備されている。データ活用についてもハッカソン等のイベントを通じ活用の裾野を広げる取り組みもなされており、高く評価できる。
LiDARのデータをより効率よく収集、活用できる形で蓄積し、広く利活用に供するフレームワークを提案し、ブロックチェーンを用いてプライバシー情報を含むデータに対し信頼性の担保を与えることで、さらにデータ利活用が展開可能な基盤の構築を達成する目途がついている。今後、スマートシティなどの社会利用に向けたさまざまなデータ収集の基盤となりうる可能性が期待できる。最終年度に向けて、実証実験等を通して広く成果をアピールしていただきたい。
S
◎学校法人芝浦工業大学(2021.4.1~)
株式会社エクサウィザーズ
22003 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第3回)

副題:個人別熱中症リスク情報見える化システムの研究開発~埼玉県熊谷市における効果検証~
R2
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R3
◎凸版印刷株式会社
熱中症リスクの指標に関する研究は大変興味深いものであり、成果も十分に上がりつつあるが、「データ連携・利活用」という観点ではさらなる努力が必要である。貴重な情報も一般に提供するために「正確性」「時間的制約」「対象地域」などを利用者が容易に実現できるシステムの構成、データモデルの検討などの観点で検討を進めなければならない。現状では、複数センサがワイヤレス接続されたスタンドアロンの装置の実現にとどまっており、最終目標の可能性を提示するにはやや厳しい状況である。必要な体制を用意することを期待する。遅れを取り戻すべく継続する必要がある。遅れを取り戻すための計画のアップデートをお願いしたい。
A
学校法人東京理科大学
22004 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第3回)

副題:情報銀行による匿名化データサービスと地域永続化実証
R2
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R3
◎学校法人慶應義塾
最終年度は、これまでの各研究開発項目の成果を実証することになるので、研究開発を継続することが妥当である。しかしながら、個別の研究開発項目はデータ利活用基盤を構築するための諸技術について取り組んでいるものではあるが、個々のつながり感が希薄で、実証フィールドとなる地域やそこでの課題という観点がいまだ明確になっていない。
開発された個々の技術を、実システム、実応用で活用することの妥当性、有効性が、実証試験の中で具体的な社会ニーズの観点から示されることを期待する。
A
フェリカポケットマーケティング株式会社
学校法人早稲田大学
22005 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第3回)

副題:大規模位置データ連携による観光施策立案評価システムの研究開発
R2
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R3
◎国立大学法人九州大学
実サービスとして提供されているのは評価したい。一方で、本研究開発課題を継続するには、分析結果から得られた知見やノウハウを、システムが集約して提供、あるいは利用者間で共有する仕組みを組み込むという、最終目標に向けたアプローチを確実に進めることが最低限の要件となる。
研究という立場からすれば、ブログウォッチャー手持ちの情報だけでなく、他のオープンデータも加えたビッグデータからデータ間の関係をマイニングするくらいの取り組み、あるいは、そこへ向けての可能性への検討は不可欠であろう。現状の成果が企業が提供する情報の可視化システムに留まると、システムの開発費用と捉えられかねない懸念があり、今後継続する場合には、データ利用および分析結果の利用という観点で成果をあげることに強く留意してもらいたい。
B
株式会社コロプラ (~2021.6.30)
株式会社ブログウォッチャー (2021.7.1~)
国立大学法人九州工業大学
22006 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第3回)

副題:未来型住宅団地におけるサービス連携プラットフォーム
R2
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R3
◎学校法人東洋大学
計画どおり、プロファイルなどのインタフェース設計とプラットフォーム上の実現、連携サービスへ向けての実装が行われている。外部の組織への働きかけも積極的に行われており、今後、連携先の組織からの、実装したサービスに関するフィードバックが期待できる。したがって、実証試験および開発した標準APIなどに関する実装上、運用上の知見を得るために研究開発を継続することが望ましい。また本研究成果を、将来の連携サービス拡大や他のスマートビル等の実装への知見およびその利活用について、実証試験と合わせて検討をすることが望ましい。
費用対効果は高いようにも見受けられるが受託者が取り組んでいる他の案件との切り分けについては明確になるとよい。スマートシティなどの上位システムとの連携に関する枠組みとして、本研究開発の個別の部品として稼働するシステムを実証することは技術的に意義があると思われる。
A
株式会社横須賀テレコムリサーチパーク
22007 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第3回)

副題:被災地域における医療救護活動のデータ共有と組織間連携に関する研究開発
R2
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R3
◎株式会社スペースタイムエンジニアリング
本研究遂行にあたりコロナ感染対策の影響を受けているが、地域や開発側の問題意識が高いことから着実に進捗している。本成果の水平展開が次の課題になろう。目標達成に向けた経費に対してNICTの研究経費はその一部であると考えられるが、十分な成果が得られている。
危機意識を持った地域の様々な分野の方々とのコミュニケーションに重点を置いた検討が進められている。その中で開発責任担当者が問題点を引き出しその対策を検討している。本研究は、災害時に展開されるDMATが到着するまでの前方展開型活動を地域が総力を上げて救済活動を進め、DMATへ必要な情報を引き継ぐとともに活動を続ける体制を構築するのが狙いであり、その目標と実施計画は妥当なものである。
A
国立大学法人九州工業大学
22008 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第3回)

副題:バーチャル物見櫓(V-THUNDERBIRDs) - 災害発生地域における緊急事態対応に必要な情報収集・共有システム -
R2
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R3
◎一般社団法人先端空間情報技術評価支援センター
本研究活動はコロナ感染対策の影響を受け本格的な現場実験が中止になっている。しかし、本開発グループはその困難な状況に柔軟に対処し、新たな提案を生み出している。その提案が予定に無かったより良い成果として現れつつある。
目標達成に向けた経費に対して、NICTの研究経費はその一部であると考えられるが、十分な成果が得られている。
これまでの進捗を考えると現在の研究計画及び実施体制は妥当なものである。よりベターな研究開発目標が再設定され、その実現に向けたアプローチがさらに改善されている。
A
御殿場市
国立大学法人千葉大学
22009 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第3回)

副題:JGNと5Gを用いた遠隔地手術データ連携とAI解析による地域間医療技術の高水準化のための研究開発
R2
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R3
◎公立大学法人公立はこだて未来大学
本研究で必要とする各種設備や5Gを含めた2拠点間のネットワーク環境、そしてAI関連は計画通り開発が進められている。今後は、未来予測手術などのアプリケーション視点からの総合評価が重要となるが、その実施体制ができていると考える。
最終目標は、遠隔地にいる熟練専門医の指導の下に手術室にいる若手専門医がAI機能と5Gネットワーク環境下で未来予測手術を実現する事であり、その実現に向けた短期的及び長期的課題を明確にするためのデータ収集・分析・解析を進めている。そのデータ収集・分析・解析を効率よく実施するためには最終目標設定に向け、本システムを利用する東京女子医大などとの協議が重要になるが、まだ、的が絞り切れていない面が窺える。新たな装置構築など投入した研究経費に見合った成果が得られているが、システムとして価値あるものができるためには次の1年が重要と考える。
今後のデータの分析・解析のために専門医などの積極的な評価が望まれる。この2年間のネットワークシステムなどの構築に向けた研究開発の手段やアプローチは妥当であったと考える。
A
学校法人東京女子医科大学
22010 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第3回)

副題:山間過疎地を対象とした高齢者向け屋内外包括見守りシステムに関する研究開発
R2
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R3
◎国立大学法人名古屋工業大学
本研究で必要とするハードウェアを中心とした装置ができ、プライバシーに配慮したデータ管理システムの仕様がほぼ決定された段階である。次のステップでこれら装置をどの様にシステム化するかの広い意味でのソフトウェア構築に向けたデータ収集と分析や解析が課題となっている。
そのデータ収集・分析・解析を効率よく実施するためには最終目標設定に向け、本システムを最初に利用する愛知県新庄市などとの協議が重要になるが、まだ、的が絞り切れていない面が窺える。新たな装置構築など投入した研究経費に見合った成果が得られていると考えられるが、システムとして価値あるものができるためには次の1年が重要と考える。
今後のデータの分析・解析のために専門医などの参加が望まれる。この2年間の装置などの構築に向けた研究開発の手段やアプローチは妥当であったと考えられる。しかし、今後のデータ収集・分析•解析に向けては、他の研究動向なども参考にしながら進めることが重要になるものと考えられる。
A
国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学
<評価 S:非常に優れている、A:適切である、B:やや劣っている、C:劣っている>

(注) 本中間評価結果を踏まえ、採択番号21801は令和5年度まで、採択番号21901は令和6年度まで、採択番号22001~22010は令和4年度まで契約を延長することとした。