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令和6年度委託研究終了評価結果(概要)
採択
番号
研究開発課題名 研究
期間
(年度)
受託者
(◎印:代表研究者)
総合コメント 総合
評価
21901 Beyond 5Gにおける衛星-地上統合技術の研究開発

副題:衛星-地上統合技術の情報収集、技術確立及び有効性確認
R2

R6
◎日本無線株式会社
本研究開発課題では、ESAテストベッドによる衛星-地上接続実証実験、日欧接続によるネットワーク運用性評価、衛星コンポーネントを含むローカル5Gバックホールの研究開発が行われた。すべての研究開発項目について研究開発目標を達成しており、概ね期待された成果が得られたと認められる。一方で、バックホール切り替え実験による動作実証については、達成度や今後の課題がもう少し明瞭に整理されるとよかったであろう。また、成果の普及に向けた標準化や特許などの知財関連の取り組みが弱く、これらについては、今後の継続的な取り組みを期待する。
A
スカパーJSAT株式会社
国立大学法人東京大学
22601 データ利活用等のデジタル化の推進による社会課題・地域課題解決のための実証型研究開発

副題:画像解析による種鶏・原種鶏の初生雛雌雄選別の実証型研究
R4

R6
◎有限会社電マーク
画像を用いて、ヒナの雌雄を識別するシステムの開発である。研究計画を途中で一部変更したものの、適切に対応して、変更をカバーできている。投入した経費に見合った成果が得られている。
目標とする識別精度を達成できる見込みが得られており、問題ない。海外を含めた展開を検討しており、今後の発展が期待できる。
A
熊本県農業研究センター
国立大学法人広島大学
歯っぴー株式会社
(~令和6年3月)
22602 データ利活用等のデジタル化の推進による社会課題・地域課題解決のための実証型研究開発

副題:ブルーカーボン貯留量の自動計測システムの開発による漁村の脱炭素・収益向上に向けた取り組み
R4

R6
◎独立行政法人国立高等専門学校機構 鳥羽商船高等専門学校
海中画像から藻場の計測を行うシステムの開発である。
画像データの取得、炭素貯留量の推定、藻場全体の計測システムの3項目について、順調に進捗している。実施体制として、三重県の教育機関、公設試、企業の連携で取り組んだことも効果的であった。コスト面に配慮した開発を行っており、投入した研究経費に見合った成果が得られている。
目標の達成状況として、各研究項目が順調に進捗しており、計画時の目標を達成していると考えられる。Jブルーカーボンクレジットへの登録と調整についても、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合と調整を進めて、標準化提案のベースとなるデータを提供している。展示会への出展を積極的に行っており、社会の関心を高める効果が得られている。
A
国立大学法人三重大学
三重県水産研究所
鳥羽市水産研究所
KDDI株式会社
株式会社KDDI総合研究所
22603 データ利活用等のデジタル化の推進による社会課題・地域課題解決のための実証型研究開発

副題:地域農業従事者の業務をスマート化し収益性を高める農業DXのための農業支援AIの研究開発
R4

R6
◎スタンシステム株式会社
見回りや水管理といった観点で水稲作業の80%にフォーカスし、農業従事者の負担軽減につながるシステムを開発し、実証実験を行って有効性を示すことができている。実施体制として、自治体の研究機関(農林水産総合技術支援センター)が積極的に参画しており、十分な体制を構築できており、研究経費に見合った成果をあげている。
優先項目に集中して取り組むことで、基本的な目標を達成できていると判断できる。徳島県と長野県の水田で行った実証試験も評価できる。今後の普及に向けた対応として、既存の装置との連携や、水管理のレシピの蓄積と活用に向けた体制作りなどの課題が残されている。
A
徳島県立農林水産総合技術支援センター
22604 データ利活用等のデジタル化の推進による社会課題・地域課題解決のための実証型研究開発

副題:想定外災害発生時に必要な即興的対応能力創発型教育訓練シナリオの検討及び実証試験の実施
R4

R6
◎国立大学法人香川大学
災害発生時の即興的な対応能力を高めるための教育訓練シナリオとコンテンツ作成の取り組みである。
多数のキャラクターが登場するVRコンテンツの作成と遠隔で実施できる教育訓練システムの開発は、投入した費用に見合うものであると考えられる。
目標の達成状況について、遠隔での実施を含む実証実験が多数回行われていることから、達成できていると考えられる。過去の災害報告書等の調査・分析を行って、評価項目を策定している点も評価できる。災害発生時の対応能力を高めるための取り組みは、社会的な意義が高い。
A
国立大学法人徳島大学
22605 データ利活用等のデジタル化の推進による社会課題・地域課題解決のための実証型研究開発

副題:地域防災のための多地点微小気圧変動計測パッケージの標準化と都市近郊・中山間部における市民協力型実証実験
R4

R6
◎高知県公立大学法人 高知工科大学
実際にかなりの数のセンサデバイスを開発し、多地点での実証実験を行った点と、較正を行うことで精度の検証を行った点が評価できる。投入した研究経費に見合った成果が得られていると考えられる。
計測システムの開発としては、多地点観測の実証実験を行っており、目標を達成している。一方、津波、火山の噴火、雷、土砂崩れ、雪崩などの自然現象について、インフラサウンドの有効性を示すためには、今後の取り組みが必要である。
A
国立研究開発法人産業技術総合研究所
国立大学法人九州大学
学校法人電子開発学園 北海道情報大学
22607 データ利活用等のデジタル化の推進による社会課題・地域課題解決のための実証型研究開発

副題:地域コミュニティのスーパーキャンパス化を支える柔軟なモビリティシェアシステムの開発とその利便性・公平性の実証評価
R4

R6
◎国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学
スーパーキャンパスによるデータ利活用という観点では、残念ながらコミュニティの拡張には至っていない。また、理論面での成果については、中間評価ならびに今回の最終ヒアリングの双方において別の方向性に可能性を見出したという発表にとどまっており、理論的展開が核となって本委託研究で行えたのかという総括がなかった点、査読を経ての論文誌への投稿が0件に留まっている点から、学術的な価値の評価は難しい。なお、実証実験をなんとか実施したいという観点で、様々な方向性の検討を行った点は評価したい。実施責任者が研究期間の途中で異動したことがある程度影響することは仕方ないとしても、委託研究への取り組みの観点でも懸念がある。社会実装については道半ばであり、自走化に向けてはさらなる推進が求められるところであるが、一方で事業化に向けて必要となるコスト、リソースはそれなりに高く、実施責任者が他機関に異動した現時点において、これらを継続的に推進する体制は明確となっていない。今後、成果の発信、公表をどのように行っていくかが、本事業の投資効果を左右するものと思われる。
B
22608 データ利活用等のデジタル化の推進による社会課題・地域課題解決のための実証型研究開発

副題:街の未来を共視する~住民・自治体・事業者のトリプレット共創型デジタルツイン~
R4

R6
◎国立大学法人大阪大学
計画を上回る成果と、さまざまなフィールド実証は、社会的なインパクトも非常に高く、総合的に見ても非常に高く評価できる課題であると思われる。
本研究の目的である、モビリティを軸として街の未来を体感できるデジタルツインプラットフォームをベースに、自治体・住民・モビリティ事業者が魅力ある街作りにトリプレット共創を行うことを実質2年余りという短い研究期間に、自治体との連携を通してモビリティを用いた実証実験にまで結びつけて研究成果をあげている点を高く評価したい。トリプレット共創によるフィードバックを得て3者の取り組みを一巡させるという観点では、研究期間ではまだ十分な成果が得られていないものの、2者間の共創に関しては実証実験で効果を示しており、今後の成果が期待できる。また、学術面では著名国際会議やジャーナルに目標を上回る成果を発表しており、この点での目標は十分に達成している。当初予定していた企業が参画できなくなった中、柔軟に対応し実証実験にまで取り組んだ点も含め、総合的にみて、目標を上回る成果を得ているものと高く評価できる。
S
株式会社HULIX
22609 データ利活用等のデジタル化の推進による社会課題・地域課題解決のための実証型研究開発

副題:データ・サステナビリティのための実世界データ醸造基盤
R4

R6
◎国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学
データの醸造という新しいコンセプトを打ち出しつつ、最近注目されているLLMの利活用も含め、実用的観点からも十分な成果を上げているものと判断できる。
今後、どのような形で、既存のデータ管理システムとの連携、多様な地域データを持つ利用者の本醸造基盤利用における利便性等についての検討を進め、社会実装に至るかを期待する。本研究開発の技術を普及させるためには、利用における利便性、簡便性等について、もう一歩踏み込んだ検討が必要であり、その点については今後を期待したい。
A
株式会社ExData
特定非営利活動法人位置情報サービス研究機構
22610 データ利活用等のデジタル化の推進による社会課題・地域課題解決のための実証型研究開発

副題:細粒度ごみ排出量データを活用した地域ごみ管理・収集・減量のデジタル推進基盤「ごみゼロ湘南」の研究開発
R4

R6
◎学校法人慶應義塾
自治体を巻き込んだ十分な実証が行われており、当初提案した内容についてはきちんとした成果が上がっている。得られた成果は一般市民や行政の担当者にとってもわかりやすいものであり、横展開も期待できる成果となっており、波及効果も大きいものと思われる。
なお、開発の側面が大きく、その点については多少期待に沿わない部分もあるが、当初設定した計画に対しては十分な成果を上げている。
A
学校法人廣池学園 麗澤大学
22701 持続性の高い行動支援のための次世代IoTデータ利活用技術の研究開発

副題:次世代マルチモーダルIoTデータによる行動ナビゲーションを想定した、事象変化に即応可能な時空間行動リスク予測・最適化技術の研究開発
R4

R6
◎株式会社KDDI総合研究所
課題名にあるIoTデータを利活用した行動支援は現在極めて注目を集める研究開発の対象分野であるが、その中でも緊急時や災害時などにおける時空間行動リスクの予測といった手法の研究開発は、国民的な関心が高い対象である。この課題に3年間という限られた時間と決められた予算の中で取り組み、当初の目標を達成してきたことは高く評価できる。この分野は技術革新が特に速い領域であるが、3年間の研究開発期間内において、当初の研究目標を再確認しながら、中間評価などで議論された内容を研究開発に反映させて成果を出してきた点も評価できる。今後はここまで研究開発してきた手法の実用化へ向けて、社会実装などを進めてもらいたい。
S
22901 プライバシー保護連合学習の高度化に関する研究開発

副題:継続実運用に資する不正取引モニタリングに向けたプライバシー保護連合学習の高度化
R4

R6
◎国立大学法人神戸大学
あらためて本研究開発に対しての総括を与えるならば、当初目的を十分に期間内に達成できたものと評価したい。特に、社会インフラに大きなインパクトを与えかねない課題に対して、それをどう解決すべきかを、アカデミアにおける研究プロセスと企業における開発プロセスを適切に融合し、適用すべきかという点で評価がなされたことは大きな意義があると思われる。今回の研究成果は、次なる課題を創発させるものと期待したいところである。
なお、総合判断としてかなり迷うところであるが、当判定とさせていただいた。
A
EAGLYS株式会社
総合評価の評価点 S:非常に優れている A:適切である B:やや劣っている C:劣っている