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令和7年度委託研究(日米共同研究)終了評価結果(概要)
採択
番号
研究開発課題名 研究
期間
受託者
(◎印:代表研究者)
総合コメント 総合
評価
22301 国際共同研究プログラムに基づく日米連携による脳情報通信研究(第5回)

副題 :霊長類視覚システムにおける動的なトポロジー表現のモデル化
R4

R7
◎国立研究開発法人産業技術総合研究所
本研究では当初目標を大きく超える学会発表と論文が成果として実現されている。霊長類を使った研究では、3年という短期間でそうした成果を達成することは困難な場合が多々あるが、綿密に練られた研究計画とチームの努力により大きな成果が得られた。費用対効果は非常に高かったと認められる。3つの研究開発項目(脳機能計測に基づく脳型NN開発、薬理遺伝学的手法によるNN開発、位相データ解析手法開発)がバランスよく進められており、統合的成果はまだであるものの、特に要素技術開発で一定の成果が得られ、論文化も順調に行われている。それぞれの研究開発項目で重要な手法の開発、知見が得られている。
これまで専門性の高い基礎知識の提供という側面が強かった神経科学的研究だが、医療を超えて社会や産業に貢献する可能性が見えてきた。脳の情報処理をモデル化し、それをAIや工業技術に生かせる道が見えてきた。本研究は、まだ未熟ではあるがその実現に貢献しうる成果を生み出しつつあると言える。
S
国立大学法人九州大学
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
22401 次世代コアとBeyond 5G/6Gネットワークのためのプログラム可能なネットワークの研究開発

副題:Beyond 5Gネットワークのセキュリティ、プライバシーを保護するプログラマブルデータプレーン技術
R4

R7
◎国立大学法人大阪大学
本研究開発は、費用を要するデータプレーン寄りのハードウェア開発を伴う困難な課題であったにもかかわらず、トップレベルの国際会議・論文誌での採択や複数の受賞、テストベッド構築やデモ展示を通じて学術面・実用面で十分な成果を挙げた。日米間での緊密な連携により、全ての研究開発項目で達成度100%以上、数値性能目標も着実に達成し、費用対効果に優れた取り組みであったと評価できる。さらに、成果のオープン化や普及活動も積極的に行われ、将来的な社会実装や波及効果が期待されるとともに、急速な技術革新への対応を見据えた柔軟な研究開発が進められた点も評価できる。
S
兵庫県公立大学法人 兵庫県立大学
22402 次世代コアとBeyond 5G/6Gネットワークのためのプログラム可能なネットワークの研究開発

副題:高信頼・大容量End-to-end接続を提供する次世代プログラマブル光=無線統合ネットワーク
R4

R7
◎国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学
本研究開発は、光コア・アクセス双方で相応の経費を要する課題でありながら、全ての研究開発項目で100%以上の達成度を実現し、数値目標を達成するとともに、海外共著を含む多数の優れた学術成果を挙げており、費用対効果は高いと評価できる。特に、6G/Beyond 5Gに向けて光コアネットワークで4.71Pbpsの総スループット実現可能性を示したことは将来の研究開発に大きな波及効果をもたらすと期待される。また、光ファイバ給電技術は無線ネットワーク構築に伴う制約解消に資するものであり、現状では、将来のB5Gに向けての給電能力は十分とは言えないものの、さらに研究が進展し実用化されれば大きな波及効果が見込まれる。現時点では実用化への貢献は限定的と考えられるほか、予算制約により学生交流や統合的な実機実験が実現できなかった点は課題として残るが、限られた資源の中で柔軟に対応し、今後の発展につながる十分な成果を挙げたと評価できる。
A
国立大学法人電気通信大学
22403 次世代コアとBeyond 5G/6Gネットワークのためのプログラム可能なネットワークの研究開発

副題:SWIFT; 6G移動通信ネットワークのための知的処理機構のソフトウェア化
R4

R7
◎国立大学法人東北大学
本研究課題は、60GHz帯WiGigにおける知的処理基盤SWIFTの研究開発として、データセットの生成、予測モデルの構築、プロトタイプ実装まで概ね計画通りに進められ、日米3大学の密な連携の下で十分な学術的成果を挙げた。トップレベルの学会・論文誌での発表に加え、定期的な人材交流を通じて国際的な連携強化も実現しており、投入経費に対する費用対効果は非常に高いと評価できる。各研究開発項目は、具体的な数値目標も含めて概ね高い達成度を示し、特にConcept-driftを考慮した学習モデルの導入はWiGigのみならず他の無線通信分野への応用可能性を有する。さらに、本技術は将来的に携帯デバイスへの導入や市場化の可能性があり、低レイヤ技術の実用化に伴うリスクはあるものの、普及が実現した場合の波及効果や社会的インパクトは大きいと期待される。
A
22404 次世代コアとBeyond 5G/6Gネットワークのためのプログラム可能なネットワークの研究開発

副題:Society 5.0を実現するIoFDT(Internet of Federated Digital Twin)のためのワイヤレス・エッジコンピューティング・サービスプラットフォームの研究開発
R4

R7
◎国立大学法人東京工業大学(〜R6.9)、国立大学法人東京科学大学(R6.10〜)
本研究開発は、既存テストベッドの有効活用により経費を効率的に抑えつつ、日米3大学の密な連携体制のもとで研究期間内に全ての研究開発項目の目標を達成し、当初目標を大きく上回る顕著な学術成果を挙げている。また、コンソーシアム活動や産業界との協働を通じて社会展開に向けた取り組みが進められ、活発な人的交流を実現している点は高く評価できる。開発したプラットフォームは自動運転分野における交通事故削減や渋滞解消などの社会的インパクトが期待され、国民的利益にも大きく寄与することが見込まれる。加えて、自動運転以外の用途への活用も検討され始めており、今後さらなる波及効果の拡大が期待できる。
S
<総合評価 S:非常に優れている、A:適切である、B:やや劣っている、C:劣っている>