NICTは、国立研究開発法人情報通信研究機構法に基づき、日本標準時の発生・維持・供給に関する業務を行っています。このたび非常時への対応強化のため、2018年6月10日から、日本標準時の神戸副局の運用を開始しました。
日本標準時は、NICT本部(東京都小金井市)で稼働する原子時計群から構築されてきました。一局集中型システムの場合、本部が被災すると、状況が深刻な場合、日本標準時の生成・供給が途切れるおそれがあります。
このリスクに備えるため、時空標準研究室では、日本標準時の分散構築化を進めてきました。複数の原子時計を地方局(標準電波送信所を含む)に分散させ、衛星を仲介してそのデータを合成し、日本標準時を構築するアイディアです。
 
一局集中→分散構築
神戸副局は、この分散局の一つであるとともに、非常時にはNICT本部の代替局として機能します。セシウム原子時計(CS)5台と水素メーザー2台及び高精度衛星時刻比較システムなど日本標準時生成に必要な基本機能を備え、本部と並行して常時合成原子時を生成します。
また本部の供給サービスがダウンした場合に備え、NTPサーバー及び光テレホンJJYシステムを整備しています。
 
神戸副局は、非常時にはNICT本部の代替局として機能
神戸副局を開始することにより、日本標準時の発生が多重化され、信頼性が大きく向上します。
 
日本標準時神戸副局のシステム(左:衛星双方向時刻比較アンテナ、右:計測システム)
日本標準時神戸副局のシステム(左:衛星双方向時刻比較アンテナ、右:計測システム)