平成30年度新規委託研究(公募第四弾)の受託者を決定
2018年12月10日
国立研究開発法人情報通信研究機構
NICTは、平成30年度から新たに研究開発を開始する委託研究(公募第四弾)3課題について、下記のとおり受託者を決定しました。
1. 研究開発課題に対する提案課題と受託者(○印:代表研究者)
(1) HTSにおける電波と光のハイブリッド衛星通信技術のための研究開発(1件を採択)
- 概要: 将来に必要となるRF光変換システムに適する方式のトレードオフ検討を実施し、目標とする機能性能を設定する。トレードオフ対象の中から代表的な方式を選定し、部分的な研究試作を実施し、想定される伝搬特性が目標機能性能に及ぼす影響を測定する。このうち、光回線側の影響は衛星搭載予定の機器を使用して、研究試作を評価するためのデータ取得を行い、影響評価に利用する。これに伴い評価データ取得用の冶具を作成すると共に、データ取得に利用する機材の整備を行い、影響評価の結果を反映し、RF光変換装置、システムに反映すべき内容を明確化し、仕様化する。
(2) BMIオープンイノベーションのための脳活動マルチモーダル計測データの解析とその応用技術の研究開発(1件を採択)
- 概要: 埋め込み式電極を用いたブレイン・マシン・インタフェース(BMI)による四肢麻痺患者のコミュニケーション技術が実用レベルに到達しつつあるが、安全性の高い低侵襲・非侵襲脳計測による実用化はまだ遠い。本研究では、Ready-to-Useの非侵襲高パフォーマンスBMI実現のために、キャップ型脳波-脳磁図同時計測法、皮質脳活動推定法そして脳モデルと人工知能を用いたデータ生成技術を開発する。これらの技術により、計測・解析の両段階において利用可能な脳情報量を増やし、脳情報解読アルゴリズムを高度化する。さらに、アルゴリズムを実装したソースコード・データを一般公開することにより、BMIオープンイノベーションの先駆けとなる。
(3) 次世代モーションキャプチャシステムの研究開発(1件を採択)
株式会社シミュラティオ 概要表示
- 概要: 光学式モーションキャプチャに代わる、簡便で安価、かつ解剖学的に忠実なモーションキャプチャシステムを開発するためには、市販のカメラを流用して、あたかも身体内部の筋骨格構造まで計測できるかのような仕組みを検討する必要がある。本研究では、計算機内で、DefMuscleにより計算された筋骨格配置を含む、統計的に「あり得る」全身モデルを作成し、カメラ画像シミュレーションシステムにより、様々な姿勢の表皮モデルの画像とその内部の3次元筋骨格配置のデータセットを取得する。これを正解データとして、機械学習を行うことにより、撮影された人体の画像の姿勢に応じた、身体内部の3次元筋骨格配置を推定することができるようになる。
2. 公募等の概要
NICTは、学識経験者で構成される評価委員会(委員長: 村上仁己 成蹊大学元教授)の評価を経て、受託者を決定しました。
公募の詳細は、以下のWebサイトをご参照ください。
https://www.nict.go.jp/collabo/commission/20181010kobo.html
本件に関する問い合わせ先
Tel: 042-327-6011
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