NICTは、神戸市が令和元年8月4日(日)に実施する「防災チャットボットが消防団員をつなぐ:『消防団スマート情報システム』の構築に向けた実証訓練」に以下に述べる連携組織とともに防災チャットボットSOCDA(SOCial-dynamics observation and victims support Dialogue Agent platform for disaster management)を提供し、協力いたします。
防災チャットボットSOCDAは、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期・テーマⅠ「避難・緊急活動支援統合システムの研究開発」(研究責任者:(国研)防災科学技術研究所(防災科研) 臼田裕一郎)・テーマⅠサブテーマ「対話型災害情報流通基盤の研究開発」において、防災科研、(株)ウェザーニューズ、NICT、LINE(株)と共同開発しているものです。
近年、全国において多発している地震や豪雨等の自然災害では、消防機関が同時多発する災害状況をリアルタイムで把握するには限界がありました。そこで、神戸市が実施する本実証訓練においては、消防団員がLINEを活用し、災害現場に関する情報を防災チャットボットSOCDAに送信し、さらに、それらの情報をSOCDAが持つ人工知能(AI)がリアルタイムに整理・集約して地図上に表示し、消防団員で共有する訓練を行います。
また、この実証実験は、産官学が一丸となり、防災チャットボットSOCDAも含めたAIおよびSNSを防災、減災にかかる課題解決を図ることを目的に令和元年6月18日に設立され、NICTも特別会員として参加している「AI防災協議会」(https://caidr.jp)としての初の取り組みとなります。

NICTにおいては、災害時において被災者、救援団体に双方にとって非常に深刻な問題である情報不足の解決に貢献すべく、対災害SNS情報分析システムDISAANA(https://disaana.jp)、災害状況要約システムD-SUMM(https://disaana.jp/d-summ/)の開発、試験公開を行い、自治体等においても実災害での活用が始まっているところです。
現在は、さらにこれらのシステムの発展系として、上記のようにSIP第2期において、防災科研、(株)ウェザーニューズ、NICT、LINE(株)と協力して、最終的には、災害時にSNSを介して、膨大な数の被災者と自動で双方向の対話を行い、避難、救援で有用な情報を提供、あるいは収集する防災チャットボットSOCDAの開発を進めています。
神戸市が今回実施する実証訓練は、SOCDAが多数のユーザに対しても機能することを実証することできる貴重な実証実験の場となります。実際の訓練の詳細は以下の通りです。
1.実施日時 令和元年8月4日(日)11時から12時まで
2.実施場所 市民防災総合センター 3階講堂 
神戸市北区ひよどり北町3丁目1番地
3.訓練主催者 神戸市消防局警防部消防団支援課
4.訓練参加者 神戸市消防団員、消防職員、危機管理室など

問い合わせ先

国立研究開発法人情報通信研究機構

耐災害ICT研究センター 応用領域研究室
大竹清敬

E-mail: disaanaアットマークkhn.nict.go.jp