国立研究開発法人情報通信研究機構(以下、「NICT」)では、「Beyond 5G研究開発促進事業 研究開発方針」(令和3年1月総務省)に基づき、Beyond 5G研究開発促進事業を実施していますが、令和3年度新規委託研究の公募(第1回)を予定していますので、お知らせします。
当該事業のうちBeyond 5G機能実現型プログラムについては、
ア)開発目標(数値目標等)を具体的かつ明確に定めてハイレベルな研究開発成果の創出を目標とするものは、NICTで研究計画書を作成し、実施者を公募(基幹課題)
イ)開発目標について外部の自由な発想に委ねるものは、NICTで研究概要のみを定め、当該開発技術に関する研究開発提案を広く公募(一般課題)
することで進めていきます。

令和3年度の基幹課題の公募(第1回)及び一般課題の公募の情報につきましては、下記のとおりです。公募開始後に、NICT Webサイトに掲載される研究開発課題の内容、応募要領等をご確認ください。

Ⅰ.研究開発課題等

1.基幹課題について

公募予定の研究開発課題は次のとおりです。

(ア)Beyond 5G超大容量無線通信を支える空間多重光ネットワーク・ノード技術の研究開発

・概要:ペタビット級の光ネットワークを経済的に実現するために、ノードコストの増加を抑えつつリンク容量に応じて収容能力を増加させる研究開発を行う。特に、ペタビット級光リンク容量が必要となるネットワーク環境において、現行技術を用いる場合と比べて、1ビット当たりの転送コスト50%以上の削減と転送距離50%以上の延伸化を可能とする空間チャネル・波長チャネルを活用した超大容量光ネットワーク・ノード技術を確立し、周波数がひっ迫する基地局における電波の効率的な利用を促進することで、電波の有効利用に資する。
・研究開発期間:契約締結日から令和6年度(令和4年度に実施するステージゲート評価を踏まえ、継続の必要性等が認められた場合は令和6年度まで継続予定)(予定)
・研究開発予算:総額8億円/年(税込)(予定)
・採択件数:個別に設定する研究開発項目毎に1件

(イ)テラヘルツ帯を用いた超高速大容量通信を実現する無線通信技術の研究開発

・概要:様々な利用が進んでいるワイヤレスパーソナルネットワーク(WPAN)、ワイヤレスローカルネットワーク(WLAN)と非地上ネットワーク(Non-Terrestrial Network: NTN)へテラヘルツ帯無線を適用するための研究開発を行う。WPAN向けテラヘルツ帯送受信機技術と、限定エリア内及び地上~NTNプラットホーム間テラヘルツ帯送受信システム技術等を確立し、より高い周波数において、これまでにない広い帯域の利用や空間多重を実現することで、様々なサービスにおける電波の有効利用に資する。
・研究開発期間:契約締結日から令和6年度(令和4年度に実施するステージゲート評価を踏まえ、継続の必要性等が認められた場合は令和6年度まで継続予定)(予定)
・研究開発予算:総額9億円/年(税込)(予定)
・採択件数:個別に設定する研究開発項目毎に1件

(ウ)Beyond 5Gに向けたテラヘルツ帯を活用した端末拡張型無線通信システム実現のための研究開発

・概要:テラヘルツ帯を活用して、ユーザ端末の無線部分を拡張すると共に、大規模かつ稠密に分散して配置された基地局を連携させることで、あらゆる場所で高い通信品質を提供することを可能とする端末拡張型無線通信システムの研究開発を行う。特に、端末拡張に向けたテラヘルツ帯RF構成技術と信号処理技術、及び端末拡張型無線通信システム構築・制御技術等を確立することで、テラヘルツ帯等の高い周波数への移行を促進する。
・研究開発期間:契約締結日から令和6年度(令和4年度に実施するステージゲート評価を踏まえ、継続の必要性等が認められた場合は令和6年度まで継続予定)(予定)
・研究開発予算:総額12億円/年(税込)(予定)
・採択件数:個別に設定する研究開発項目毎に1件

(エ)Beyond 5G超大容量無線ネットワークのための電波・光融合無線通信システムの研究開発

・概要:5Gに比べ10倍以上の大容量化を想定し、総容量数100Gbps/chかつ100マイクロ秒級の低遅延接続を実現するためのテラヘルツ波光ファイバ無線及び空間光無線に関するトランシーバ、光信号処理技術等のハードウエアの研究開発を行う。これら2つの無線トランシーバはともに光ファイバ接続がベースになっていることから、両技術を統合することで、アクセス/ショートリーチ通信ネットワーク内における多数接続に対応したネットワーク構成の柔軟性を向上し、また多量のスモールセル構築の実現により高い周波数への移行を促進するとともに、その利用効率の向上を図る。
・研究開発期間:契約締結日から令和6年度(令和4年度に実施するステージゲート評価を踏まえ、継続の必要性等が認められた場合は令和6年度まで継続予定)(予定)
・研究開発予算:総額8億円/年(税込)(予定)
・採択件数:個別に設定する研究開発項目毎に1件

2.一般課題について

NICTでは、Beyond 5G研究開発促進事業に関し、意見募集を踏まえて、開発対象と具体的に開発する技術等の候補例(「開発技術候補例リスト」)を作成し、令和3年4月16日に公表しました。当該リストを参考にして、研究開発課題を広く提案していただく予定です。

・研究開発期間:2~4年程度(予定)
・研究開発予算(目安):1件あたり原則として3億円以下/年(税込)、最大5億円※/年(税込)
・採択件数:10件程度(予定)

※ 開発する技術等の範囲が広範で、それらを一体不可分に研究開発することが必要不可欠な場合においては、予算規模の目安によらず、研究開発規模を考慮した金額とすることも想定。

Ⅱ.公募開始の時期

令和3年4月末から5月上旬頃を予定しています。

Ⅲ. 公募説明会

令和3年5月中旬を予定しています(オンライン開催)。

Ⅳ. その他

・Beyond 5G研究開発促進事業の概要等については、以下のWebページ内の「Beyond 5G研究開発促進事業について」をご覧ください。

本件に関する問い合わせ先

イノベーション推進部門 委託研究推進室

中後 明、久保 和夫、近藤 健

Tel: 042-327-6011

E-mail: info-itakuアットマークml.nict.go.jp