国立研究開発法人情報通信研究機構は、観測している超低周波音(インフラサウンド)データのオープンデータ化を開始しました。

微気圧情報と、いわゆる一般的な気圧情報との違いは、主にその分解能にあります。気圧情報を時間的にもレベル的にも高い分解能で観測したものが、微気圧情報です。これにより、従来の気圧情報を観測したデータからは見ることが出来ない大気現象を捉えることが可能になります。

大気圧の周期的な時間変化を人間は音として知覚します。しかしながら、変化の速度が遅いと人間は知覚することができません。このような音を超低周波音(インフラサウンド)と呼びます。インフラサウンドは、地震や津波、火山噴火など、大規模な被害に繋がる極端な自然現象の力が大気に作用して発生することが知られています。

インフラサウンドの観測装置を設置して常時観測することで、いつ起こるか分からない極端な自然現象によるデータを逃すことなく捉えることができ、また、将来再び起こり得る同様の災害に対して有効な備えを講じることが可能になると考えられます。観測データの利活用を促進するため、データを公開することとしました。現在、微気圧情報を常時観測している研究機関は必ずしも多くありません。様々な地域における観測データを利活用できるようにするため、日本気象協会のWebサイト『インフラサウンド・モニタリング・ネットワーク』を通じて、他機関の観測データと共に公開することにしました。


NICTからデータ提供を行う観測地点は、宮城県仙台市にあるレジリエントICT研究センターから開始して順次拡大を予定しています。

Webサイトのキャプチャの一例(地震発生時の観測信号)
Webサイトのキャプチャの一例(地震発生時の観測信号)

本件に関する問い合わせ先

レジリエントICT研究センター

担当者:西村 竜一

Tel: 022-713-7513

E-mail: sis_fsnアットマークml.nict.go.jp