NICT発技術で現場の課題を解決
自然光デジタルホログラフィ
~自然光源で単眼多色3次元測定、精密3次元計測~

特別な光源不要で3D動画計測可能なデジタルホログラフィ技術および光学システム
ホログラフィ、干渉計測技術には光学素子や工業用部品用の検査装置、フルカラー3次元カメラや高速度3次元カメラ、無染色で細胞を定量計測する顕微鏡、または透明体を可視化できる波面センサとしての市場があります。しかし、一般にレーザー光源が用いられるため、光学システムが大型化、高価になる上に、ライフサイエンス分野では生命体に対する光ダメージの問題があります。また、日常生活に用いられる照明光を光源に適用できないため、測定条件が限定される問題があります。 本技術では、自然光或いはLED等の一般照明光源を適用でき、イメージセンサのフレームレートで3次元動画情報を測定できます。そして、光学システムのコンパクト化、低コスト化、光ダメージ、安全上の問題を解決します。
ホログラフィでは、干渉縞と呼ばれる縞模様を光で作り出し、干渉縞画像(デジタルホログラム)に物体の3次元情報を埋め込むことにより、画像を記録して3次元測定を行えます。ホログラムを生成するためにはレーザー光源が必要だと一般に言われています。一方で日常生活では、太陽光で照らされたシャボン玉や、物理の実験で見られるニュートン環等、自然光で作り出された干渉縞模様を観察することができます。これらの干渉縞生成には、自己干渉と呼ばれる、太陽光等の自然光でも自らの光には干渉する性質を利用しています。また、物体が深さ方向に近づくと干渉縞は細かくなり、遠ざかると粗くなる性質により、物体の定量的な距離情報をデジタルホログラムで取得することができます。物体を点光源(物点)の集合体と考え、自己干渉光学系を通して物体からの回折光より2種類の光波を生成し、2種類の光波の自己干渉に基づくデジタルホログラムを各物点に対して生成します。各物点のデジタルホログラムの総和を物体のデジタルホログラムとして記録し、ホログラフィの原理に基づく計算機内の像再生手続きを通じて、物体の3次元情報を像再生します。


任意の光、一台のカメラ、あらゆる用途で3D動画情報を記録、 精密な奥行情報の測定が可能
(A) 日常生活で用いられる白色光を用いて、フルカラーのホログラムをカメラのフレームレートで動画記録、
(B) 定量的な位相の動画をカメラのフレームレートで記録可能、
(C) 集積化して動画記録可能、または
(D) たくさんの物理量を同時に明るく測定可能
前述の特徴を活かして、例えば次の様な用途での運用を検討しています。
・ カメラのフレームレートで動画測定できるカラー3D動画蛍光顕微鏡
・ 透明物質、無染色細胞をラベルフリーで精密・定量的に測定する3D定量位相顕微鏡
・ 多数の運動物体を同時に3Dトラッキングする3D動画顕微鏡
・ 微小段差、構造を計測する3D表面形状検査装置
・ 薄板偏光光学デバイスの集積化によるホログラム動画センサ
・ 太陽光フルカラーホログラフィック3D動画カメラ
・ 全焦点動画カメラ
・ 流体現象、透明物質の高速度ホログラフィック3D動画測定、3D速度測定
・ シュリーレン観察の定量3D測定化、全焦点動画観察
・ 高速運動物体の3D動態解析、全焦点動画観察
・ 測定対象の4D(3D+偏光)動画測定、多次元分析
事例
市販の光学顕微鏡に接続して、ガン細胞のカラー蛍光ホログラム記録、カメラのフレームレートで3D定量位相像取得

サブµm分解能3D動画計測(現象観察や工業製品検査など)

市販の偏光イメージングカメラに接続して、1回の露光で単眼フルカラー3D測距

市販の高速度カメラに接続して、高速度ホログラフィック3Dカメラ、4Dカメラ
