京浜急行電鉄株式会社(本社:東京都港区、取締役社長:原田 一之、以下「京急電鉄」)、NICT、株式会社ブリックス(本社:東京都新宿区、社長:吉川 健一、以下「ブリックス」)、株式会社日立製作所(本社:東京都千代田区、執行役社長兼CEO:東原 敏昭、以下「日立」)および株式会社日立超エル・エス・アイ・システムズ(本社:東京都立川市、取締役社長:河路 幹規、以下「日立超LSIシステムズ」)は、2016年7月から、鉄道分野における多言語音声翻訳サービスの性能向上および運用性向上を目的とした共同研究を行ってきました。京急電鉄では、共同研究の成果を活用して日立超LSIシステムズから提供予定である、駅係員による外国人のお客さまへの多言語案内をサポートする対話型の音声翻訳クラウドサービスを2018年4月から試験導入、7月初旬に京急線全駅(泉岳寺駅を除く)に本格導入します。これはNICTの「VoiceTra(ボイストラ)」をベースとする音声翻訳エンジンを使用し、鉄道分野での具体的なニーズに対応する様々な機能を搭載した本格的な商用サービスであり、鉄道会社が導入するのは日本で初めてとなります
詳細は別紙のとおりです。
音声翻訳サービスのアプリ画面イメージ(開発中のもの)

別紙

京急電鉄が導入予定の対話型の音声翻訳クラウドサービスについて

1.概要
京急電鉄、NICTおよびブリックスが京急線全駅(泉岳寺駅を除く)で実証実験を行った共同研究用アプリケーション「鉄道通訳」の成果と、これを活用して、京急電鉄、NICT、ブリックス、日立および日立超LSIシステムズが京急線17駅で実証実験を行った検証用アプリケーション「新鉄道通訳」の実証実験の成果を活用し、日立超LSIシステムズが開発する対話型の音声翻訳クラウドサービス。多機能翻訳アプリケーションをタブレット端末等にインストールすることで簡単に使用することができ、外国人のお客さまへの多言語案内をサポート。
NICTの「VoiceTra(ボイストラ)」をベースとする音声翻訳エンジンを使用し、鉄道分野での具体的なニーズに対応する様々な機能を搭載した本格的な商用サービス。
※ 品川駅、平和島駅、京急蒲田駅、羽田空港国内線ターミナル駅、羽田空港国際線ターミナル駅、京急川崎駅、川崎大師駅、神奈川新町駅、横浜駅、日ノ出町駅、上大岡駅、金沢文庫駅、追浜駅、汐入駅、横須賀中央駅、京急久里浜駅、三浦海岸駅
2.主な機能
(1)対話型の逐次翻訳
音声入力した内容を相手の言語に翻訳し、対話型の画面に文章と音声で分かりやすく表示。文章(視覚)と音声(聴覚)による逐次翻訳で円滑なコミュニケーションをサポート。
(2)よく使うフレーズの登録
ご案内でよく使用するフレーズを、タブレット端末上で自由に登録・編集可能。登録したフレーズを呼び出すことで、翻訳された文章と音声ですばやくご案内することができる。
(3)電話通訳サービスへのワンタッチ接続
複雑な内容のやりとりが必要な場合には、簡単な操作で、通訳オペレーターを介した電話通訳サービスを利用することができる。
(4)タッチパネル操作によるご案内
お忘れものについて、タブレット端末をタッチすることによる簡単かつ直感的な操作で、いつ・どこで・何を忘れたのかをすばやく確認することができる。
3.対応言語
日本語、英語、中国語(北京語)、韓国語
4.導入時期
日立超LSIシステムズが、2018年7月に、対話型の音声翻訳クラウドサービスを提供開始予定。
京急電鉄では、日本で初めて、同時期より全駅(泉岳寺駅を除く)に本サービスを本格導入予定であり、2018年4月から評価用サービスの試験導入を開始する予定。
なお、京急グループでは、訪日外国人のお客さまへのご案内強化に向けた取り組みとして、京急グループの各施設においても、今後、同様のサービスを順次導入する予定。
※ 多言語音声翻訳ソリューション「Ruby Concierge®」

参考

鉄道分野における多言語音声翻訳サービスの性能向上及び運用性向上を目的とした共同研究について

1.経緯
京急電鉄、NICTおよびブリックスは、2016年2月から、NICTの多言語音声翻訳アプリケーション「VoiceTra」に、ブリックスが提供する電話通訳サービスを活用した共同研究用アプリケーション「鉄道通訳」を作成し、京急線全駅(泉岳寺駅を除く)において、機械翻訳と電話通訳のハイブリッドサービスの有効性等を検証。今回の共同研究は、これを発展させ、新たに日立及び日立超LSIシステムズが参画したもの。
2.概要
鉄道分野で用いられるフレーズを音声翻訳サーバ上に予め登録することで翻訳精度を強化した対話型の音声翻訳機能に、実際に外国人のお客さまをご案内する駅係員からのニーズを踏まえて、タッチパネル型のお忘れもの確認機能、定型文による対話機能、電話通訳サービスへのワンタッチ接続機能等を加えた検証用アプリケーション「新鉄道通訳」を作成。この検証用アプリケーションを京急線主要駅のお客さま対応用タブレット端末に段階的に導入し、実証実験を実施。
3.共同研究により得られた結果(主な内容を例示)
○ 鉄道分野でよく用いるフレーズへの対応を強化することで翻訳精度が向上
○ お忘れもの確認の際には、音声翻訳に比べて、タッチパネルを用いた迅速な対応が効果的
○ よく使うフレーズを自由に登録・編集し、多言語で表示・発話させる定型文機能が有効
○ 駅係員だけでなく、外国人のお客さまにとっても分かりやすいデザインが重要
○ 難しい内容のやりとりの場合、電話通訳を簡単に呼び出して丁寧な対応ができると安心
4.共同研究で作成し、実証実験を行った「新鉄道通訳」の画面イメージ
対話型の音声翻訳画(お客さま側が英語の例)
対話型の音声翻訳画面
(お客さま側が英語の例)
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タッチパネル型のお忘れもの確認機能(お客さま側が英語の例)
タッチパネル型のお忘れもの確認機能
(お客さま側が英語の例)
[画像クリックで拡大表示]

各会社・法人概要について

〇国立研究開発法人情報通信研究機構
(1)創立年月 2004年4月
(2)本部所在地 東京都小金井市貫井北町4丁目2番1号
(3)研究内容 情報通信分野を専門とする我が国唯一の公的研究機関として、情報通信に関する技術の研究開発について基礎から応用までを推進すると同時に、産学官連携や事業振興などに統合的に取り組んでいます。
〇京浜急行電鉄株式会社
(1)創立年月 1898年2月
(2)本店所在地 港区高輪2丁目20番20号
(3)事業内容 交通事業、不動産事業、レジャー・サービス事業、流通事業、その他の事業。品川・羽田を玄関口として、国内外の多くの人々が集う、豊かな沿線を実現するため、ICTを活用した先進的な取り組みを推進しています。
〇株式会社ブリックス
(1)創立年月 2010年5月
(2)本店所在地 東京都新宿区新宿4丁目3番17号
FORECAST新宿SOUTH 4F
(3)事業内容 通訳・翻訳業務、多言語コンタクトセンターの運営 他。
〇株式会社日立製作所
(1)創立年月 1920年2月(1910年創業)
(2)本店所在地 東京都千代田区丸の内1丁目6番6号
(3)事業内容 情報・通信システム、社会・産業システム、電子装置・システム、建設機械、高機能材料、オートモティブシステム、生活・エコシステム、その他の8セグメントにわたる、製品の開発、生産、販売、サービス。
〇株式会社日立超エル・エス・アイ・システムズ
(1)創立年月 1980年6月
(2)本店所在地 東京都立川市緑町7番地1
(3)事業内容 半導体システム製品および情報処理機器の企画、開発、設計、製造、販売等。