ショウジョウバエの脳の性別を決める分子の仕組みを解明
~オス化の暗号分子の一部を切り取るとメス化の暗号分子に早変わりする~
2019年1月11日
国立研究開発法人情報通信研究機構
ポイント
- “心の性別”を左右する脳の性差を人為的に切り替えることにショウジョウバエで成功
- 不要タンパク質を分解するための酵素が、細胞の性を決める役目も担っていることを発見
- ヒトでも同様の仕組みが働いていれば、心の性の多様なあり方を科学的に理解する手がかりに
背景
今回の成果
![図1 サトリ変異体のオス同志が求愛して輪になったところ 図1 サトリ変異体のオス同志が求愛して輪になったところ](img/20190111-01.png)
(小金澤雅之氏提供の動画に基づく。)
今後の展望
補足資料
今回の発見のハイライト
![図4 フルートレスとローラが協力的に働いて脳と行動を「オス型」「メス型」へと導く機構の模式図 図4 フルートレスとローラが協力的に働いて脳と行動を「オス型」「メス型」へと導く機構の模式図](img/20190111-04.png)
![図5 フルートレスとローラによる標的遺伝子の制御機構の模式図(上) キイロショウジョウバエの染色体写真の上で交尾する雌雄(下) 図5 フルートレスとローラによる標的遺伝子の制御機構の模式図(上) キイロショウジョウバエの染色体写真の上で交尾する雌雄(下)](img/20190111-05.png)
キイロショウジョウバエの染色体写真の上で交尾する雌雄(下)
(下の図: 伊藤弘樹氏、小金澤雅之氏原図)
掲載論文
URL:http://dx.doi.org/10.1038/s41467-018-08146-1
DOI:10.1038/s41467-018-08146-1
用語解説
![図2 mALと呼ばれる脳細胞の性差 図2 mALと呼ばれる脳細胞の性差](img/20190111-02.png)
正常なメス(A)と正常なオス(C)では、右側の突起の有無が大きな違いである。ローラを取り除いたメス(B)では脳細胞がオスの形に変化している。
![図3 ローラQ・タンパク質は、分解酵素で刈り込まれて、メス特有のローラ29Fになる。 図3 ローラQ・タンパク質は、分解酵素で刈り込まれて、メス特有のローラ29Fになる。](img/20190111-03.png)
本件に関する問い合わせ先
未来ICT研究所
行動神経生物学プロジェクト
山元 大輔、佐藤 耕世
Tel: 078-969-2201又は2203
E-mail:
広報
広報部 報道室
廣田 幸子
Tel: 042-327-6923
Fax: 042-327-7587
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