がん細胞が血管網に似た構造を造る仕組みを解明
—がん増殖の鍵となる細胞間の“力”の発見—
2020年3月12日
国立研究開発法人情報通信研究機構
国立大学法人大阪大学
研究成果のポイント
概要

円領域の直径は14mm
研究の背景
本研究成果が社会に与える影響(本研究成果の意義)
特記事項
(1) 大阪大学データビリティフロンティア機構
図

円領域の直径は14mm

左側の写真は実験の初期状態を写している。およそ700個のがん細胞が存在。残り3枚の写真では、適当に選んだ71個のがん細胞が5時間の間に移動した軌跡を示している。多くのがん細胞が中央よりやや右上の辺りに向かって移動し、集合体を形成した。物理的に離れた細胞が同じ方向に移動しており、遠隔力の存在を示唆する。各正方形領域の大きさは、1 mm x 1 mm。

緑色の円で囲んだ細胞は、初めに左下の方向に移動するが(0~1時間)、その後、青色の円で囲んだ細胞の方向に伸展する (2.5~5時間)。その結果、左下の集合体と右上の集合体を結ぶ「架け橋」となる。緑色の円で囲んだ細胞は物理的に接触している青色の円で囲んだ細胞の方向に移動しており (2.5~5時間)、接触力の存在を示唆する。各正方形領域の大きさは、0.5 mm x 0.5 mm。

がん細胞集団は、細胞密度が低い場合、孤立した「離島」を所々に形成する。細胞密度が高い場合、隙間の少ない「大陸」を形成する。その間の細胞密度で、特徴的なネットワーク構造を形成する。各円領域の直径は14mm。

がん細胞集団が初期密度に依存して種々の構造を形成する現象をシミュレーションで再現
用語説明
本件に関する問合せ先
大阪大学データビリティフロンティア機構
特任准教授(常勤)中野 賢(なかの ただし)
Tel: 06-6879-4651 Fax: 06-6879-4651
E-mail:
国立研究開発法人情報通信研究機構 未来ICT研究所 フロンティア創造総合研究室
主任研究員 原口 徳子(はらぐち とくこ)
Tel: 078-969-2241 Fax: 078-969-2249
E-mail:
国立研究開発法人情報通信研究機構 広報部 報道室
Tel: 042-327-6923 Fax: 042-327-7587
E-mail: