国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長: 徳田 英幸)ナショナルサイバートレーニングセンターは、当センターが推進する実践的サイバー防御演習「CYDER*」の周知啓発の取組の一環として、本日、期間限定で過去の演習教材の一部の一般公開を開始しました。
ダウンロード方法やCYDERの詳細、最新情報等は、公式Webサイトにてご確認ください。
* CYDER(サイダー): CYber Defense Exercise with Recurrence(サイバー防御反復演習)
CYDERでは、セキュリティインシデントが発生した際の対応手順や事前の備え等について学ぶことができます。

1 背景・趣旨

新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の発出を受け、日本国内の多くの組織において、在宅勤務等、通常と異なる形態での勤務を余儀なくされていますが、このような状況においても、サイバー攻撃の脅威は続いています。サイバー攻撃への対策としては、ITシステムを利用する方々の基礎知識の習得やトレーニングが重要ですが、現在の社会情勢においては、十分な学習機会の確保が困難な状況となっています。
このような情勢下における緊急的な措置及びCYDERの周知啓発の取組の一環として、このたび、NICTは、サイバーセキュリティに関する技術や知識を必要とする方の学習の一助とすべく、CYDERの過去の演習教材の一部を期間限定で一般公開することとしました。

2 CYDER教材の一般公開の概要

1) 提供内容: 過去の演習シナリオを課題単位で再構成した教材を提供
2) 提供方法: 以下のWebサイトで申請を受け付け、指定場所からダウンロードする形で提供
https://cyder.nict.go.jp/
3) 提供期間: 2020年5月12日(火)から当面の間(当機構の判断による)
4) 対象: 組織内において情報システムの管理に携わる方、その人材育成に関わる方、その他サイバー防御演習に関心のある方など
5) 費用: 無料

3 注意事項

1) 緊急事態宣言を受けた暫定的な対応として、期間限定での提供となります。そのため、状況の変化等に伴い、予告なく変更・終了する場合があります。
2) 学習者が興味のある課題を選択して学習できるよう、演習シナリオを課題単位に分割して提供します。
3) 今回は教材のみの配布のため、CYDERの大規模演習環境は利用できません。
4) 本教材の著作権は、国立研究開発法人情報通信研究機構に帰属します。商業上の利得や金銭報酬を目的とした営利目的の利用、及び、本教材の複製や改変、第三者への再配布を禁止します。

4 利用例

1) 外出が難しい状況下の在宅勤務等における学習教材
2) 組織内での研修用教材
3) 研修・教育を今後担当する方自身のトレーニング用教材

5 提供イメージ

イメージ図
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実践的サイバー防御演習「CYDER」について

セキュリティ人材の育成が喫緊の課題となっている背景を受け、CYDERは、2013年度から2015年度まで総務省の実証実験として実施されてきました。その後、国立研究開発法人情報通信研究機構法の改正を経て、2016年度から、実施主体がNICTに変更され、ナショナルサイバートレーニングセンターにて全国で実施・展開しています。
CYDERでは、NICTが有する大規模サーバー群「StarBED」上に大規模組織のネットワーク環境を擬似的に構築し、その上でサイバー攻撃を擬似的に発生させ、演習を行います。演習は、実機を用いた実践的な内容になっており、サイバー攻撃への理解を深めながらインシデントハンドリングを体験することで、「どうすればインシデントを検知できるのか」「どんな対応をすれば被害を最小限にできるのか」等について学べます。
2019年度においては、2018年度に引き続き、全47都道府県において、合計100回以上の演習を実施した結果、2013年度の演習開始からの累計受講者数が11,000人を超え、日本最大級のサイバーセキュリティ演習プログラムに成長しています。2020年度のCYDERについては、実施に向けて現在準備中です。受付開始に当たっては、改めて発表する予定です。

本件に関する問合せ先

ナショナルサイバートレーニングセンター
サイバートレーニング事業推進室
CYDER教材一般公開係

Tel: 042-327-5612

E-mail: cyder-onlineアットマークnml.nict.go.jp

広報

広報部 報道室

廣田 幸子

Tel: 042-327-6923

E-mail: publicityアットマークnict.go.jp