研究成果を実証・実装する自治体を訪問

2023年3月7日（火）から3月9日（木）にかけて、レジリエントICT研究センターが取り組むNerveNet、映像IoTを実証・実装している自治体を訪問し、設備の設置や利用状況等を視察するとともに担当者間で意見交換を行いました。参加者は、レジリエントICT研究センターに所属する研究員の他、3月10日（金）から12日（日）に開催される「世界防災フォーラム／防災ダボス会議＠仙台 2023」において、NICTが主催する企画セッション「持続可能な社会を支えるレジリエントICT—研究開発、社会実証、社会実装—」に招へいした外国人研究者等も加わり、NICTのレジリエントICT研究への取り組みを紹介する場として貴重な機会となりました。

【長野県千曲市】
３月７日（火）に千曲市役所を表敬訪問し、企画政策部、経済部の皆様に、NICTが千曲市で取り組んでいる映像IoT^※１に関する実証実験等をご紹介しました。併せて、今後の展開等についての意見交換を行い、千曲市はあんずや葡萄などの果実栽培が盛んなことから、作物の生育監視や獣害対策への展開の可能性などが話題となりました。
３月８日（水）は千曲市内の映像IoT機器の設置状況等を視察しました（日本遺産センター、姨捨公園、千本柳の火の見櫓、上山田文化会館、他）。
※1映像IoT：市販カメラと携帯電話回線を使い高品質で低遅延の映像監視を安価に提供する技術。AI解析機能を実装することで、災害/事故/気象/交通状況などを検知・追跡し、都市規模の監視も実現。

千曲市のホームページ

【和歌山県白浜町】
３月９日（木）は白浜町役場を表敬訪問し、2015年のNerveNet^※２実証実験開始以前から続くNICTと白浜町の協力関係について、井澗町長から感謝と今後の更なる展開に期待する旨のお言葉を頂戴しました。白浜町に設置されたNerveNet実証実験環境は、世界初の耐災害ネットワークとして本格運用に向けて整備が進められ、総務省ふるさとテレワーク事業等による企業誘致やワーケーションの推進にも役立てられてきました。現在、白浜町はデジタル田園都市国家構想推進交付金制度を活用した事業「耐災害ネットワークを活用した転職なき移住の実現」において耐災害ネットワーク（NerveNet）を実装して運用を開始し、安全・安心なネットワーク環境を再構築して関係人口の拡大とその先の転職なき移住の実現を目指しています。
３月９日（木）、10日（金）は、白浜町のNerveNet関連設備（情報通信ステーション）の設置状況等を視察しました（ホテルシーモア屋上、白浜町役場屋上、千畳敷、ITビジネスオフィス、白良浜、他）。
※2 NerveNet：インターネットやクラウドサービスを使わずにレジリエントな情報共有・通信機能をローカルエリアに提供する技術。平時／災害時の公衆通信網の代替手段として利用可能。

白浜町のホームページ