訃報:長尾 真 元情報通信研究機構理事長

2021年5月28日


国立研究開発法人情報通信研究機構

長尾元理事長写真
情報通信研究機構の初代理事長を務められた長尾 真(ながお まこと)様が、2021年(令和3年)5月23日に逝去されました。享年84歳でした。
 長尾元理事長は、1961年(昭和36年)3月に京都大学大学院工学研究科修士課程を修了し、同年4月、京都大学工学部助手に着任後、京都大学工学部講師、助教授、教授を経て、1986年(昭和61年)4月に京都大学大型計算機センター長となり、京都大学評議員を務められ、1995年(平成7年)4月に京都大学附属図書館館長となり、京都大学評議員、京都大学総長特別補佐を務められ1997年(平成9年)4月に京都大学大学院工学研究科長・工学部長、同年12月に京都大学総長に就任、2001年(平成13年)4月から国立大学協会会長を兼任されました。
 その後、2004年(平成16年)4月からは独立行政法人情報通信研究機構の初代理事長に就任され、2007年(平成19年)3月まで当機構の発展にご尽力をいただきました。

 理事長在任中、旧通信総合研究所と旧通信・放送機構が統合された独立行政法人として発足した当機構を我が国の情報通信技術の唯一の公的研究機関として、日本の情報通信分野を技術的に支え、これからグローバル化してゆく社会の基盤として貢献してゆくという一貫した考え方で運営されました。
 また、主要な研究開発として、ヒューマンコミュニケーションを円滑にするキーテクノロジーの創出、情報セキュリティや電磁環境、地球環境計測などの立場から社会の安心安全を確保するための研究開発、光や量子通信など新しい通信技術の基礎研究の3つを特に重点課題として機構の研究開発の推進に努められました。
 さらに、当機構の国際化の推進のため、フランス、インド、タイ、マレーシア、シンガポール、中国、その他の国の主要な情報通信研究機関と研究協力の覚書の締結や交流など、当機構の発展に多大なご尽力をいただきました。

 ここに元理事長のこれまでのご功績に対して、深く敬意と感謝の意を表すとともに、謹んで哀悼の意を表します。