NICTが特別協賛する「ハードニング競技会」がGOOD DESIGN AWARD 2022年度を受賞

2022年10月11日


国立研究開発法人情報通信研究機構

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長: 徳田 英幸)は、Hardening Projectが企画・運営している「ハードニング競技会」に企画段階から10年にわたり競技環境の構築・提供を中心に特別協賛として参画してきました。この度、この「ハードニング競技会」が公益財団法人日本デザイン振興会 GOOD DESIGN AWARD 2022年度を受賞しました。

1.ハードニング競技会とは

企業、行政問わず、全国のビジネス・セキュリティにかかわる技術者及び関係する非技術の担当者を対象にした、競技会形式の活動。バーチャル空間上の競技環境におかれたEコマースなどのシステムに対する"Kuromame6"からの8時間にわたるサイバー攻撃への対応を競うことで、より優れた「衛る力」を顕彰する。また、競技を中心とした準備から発表までの期間の協調と競争により、組織や勝敗を超えた連帯を創発します。

2.NICTの貢献

テストベッド研究開発運用室とサイバーセキュリティ研究室が共同で特別協賛として参画。実験用に多彩なICT環境を摸倣できる実験専用のサーバ群であるStarBEDを提供、さらに長年のサイバー攻撃の検証やセキュリティ演習用模擬環境の構築・運用により培われた知見を応用し、バーチャル空間上の競技環境ならびに参加者が集結する競技会場のネットワークの構築と運用を初回開催のHardening Zero(2012年)から一貫して担当。2020年からはフルオンライン開催環境の構築・運用にも挑戦しました。
100名規模の参加者が挑む競技環境は様々な種類のOSで構成され、仮想マシンで500台規模に上ります。この大規模な環境で競技ルールとして行われるセキュリティサービスの導入などHardening Projectで求められる柔軟性と安定性を両立し、競技会参加者の体験の最大化に貢献すると共に、Hardening Projectの活動支援を通じて国内のセキュリティコミュニティを支援しています。
図1:Hardening競技会を支えるNICT 北陸StarBED技術センター
図1:Hardening競技会を支えるNICT 北陸StarBED技術センター

3.評価された点(評価委員コメント)

デジタルが進む社会において、セキュリティの堅牢化は必須である。しかし企業単体でサイバー攻撃に対応するスキルを上げることは容易ではない。技術者の育成だけでなく経営的判断やマネジメントも連携して対策を立て、時代の変化にスキルアップしていく必要がある。
ハードニング競技会では、技術とビジネスの両側面でセキュリティ対策を行う実践的な想定にしたことで、複合的なチーム編成でマネジメントも必要とした擬似体験ができる仕組みであること、競技形式にしたことで参加者の高い結束力とモチベーションを形成したこと、作業の振り返りによる情報共有など一連のスキームが充実している点がよい。
また10年に渡り継続して20回開催を実行したことで行政・異業種企業・学生などの参加者間のつながりが強化され、サイロ化された業務環境に一石を投じたことも成果だ。
2022年度グッドデザイン賞 受賞者公表サイト https://www.g-mark.org/award/
受賞対象名「セキュリティ堅牢化競技会 [ハードニング競技会]」
ハードニング競技会

本件に関する問い合わせ先

テストベッド研究開発運用室/サイバーセキュリティ研究室

宮地利幸/三輪信介/安田真悟