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 2026年1月21日および22日に東京・日本橋タワーで開催された「第7回 日独 Beyond 5G/6G 研究ワークショップ」のデモセッションにおいて、レジリエントICT研究センターサステナブルICTシステム研究室は、ドイツ・RWTHアーヘン工科大学 分散信号処理講座との共同研究成果として、「機械学習によるRSSI予測を活用した移動ロボット向けレジリエント・ミリ波リレー通信」に関するポスター発表およびデモ展示を行いました。
 
 デモ展示では、移動ロボットで発生しやすいミリ波通信の不安定さに着目しました。そこで、機械学習を使って次の動作における受信信号強度を予測し、その結果に応じてリレー通信を自動的に切り替える仕組みを紹介しました。この技術により、通信の信頼性と継続性を向上させることができます。Beyond 5G/6G時代に求められる、災害対応や産業用途を含む重要で必要不可欠な無線通信の実現に向けた、有望なアプローチとして多くの関心を集めました。
 
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サステナブルICTシステム研究室からの参加者: Nann Win Moe Thet研究員 (左), Nguyen Nam Khanh研究員 (右), RWTH Aachen University: Haris Gačanin教授 (中央)
  過酷な電波環境において高品質な無線通信を維持することは、遮蔽や干渉、急激な環境変化によって通信状態が突発的に悪化する可能性があるため、極めて重要な課題です。本研究では、災害現場等の人が安全に立ち入ることが困難な環境での運用を想定し、自律移動ロボットによる作業実施を実用的なユースケースとして取り上げました。このユースケースでは、移動・状況把握・タスク遂行のために、途切れない高信頼な通信接続が不可欠です。
 
 ミリ波通信は、超高速・低遅延通信が求められるシナリオにおいて大きな利点を有する一方で、遮蔽や非見通し(NLoS)環境の影響を受けやすいという課題があります。そこで本研究チームは、機械学習による受信信号強度予測を組み込んだリレー支援型通信フレームワークを開発し、動的に電波強度が変化する環境においても、通信状態の劣化を事前に予測し適応的にリレー回線を制御することで、通信のレジリエンシー向上を図りました。
 
 ポスター発表では、28 GHz帯ミリ波を用いたリレー支援通信システムの実験装置を紹介し、送受信ビームフォーマを備えた増幅中継リレーにより、遮蔽やNLoS環境下でも通信回線を維持できることを示しました。また、デモでは、ミリ波ビームフォーミングの他、Wi-Fi(2.4 GHz)およびローカル5G(4.9 GHz)システムに対する機械学習を利用した電波強度予測技術を適用事例として、模擬プラント環境や捜索・救助シナリオなど、複数のユースケースに対する実証を紹介しました。また、将来的には直接通信とリレー支援通信を動的に切り替える適応制御についての展開可能性も検討しています。
 
 この展示と発表は、日本の大学関係者、移動通信に関する技術者、ならびにドイツの研究機関から参加した多くの研究者・技術者の関心を集め、活発な意見交換が行われました。
 
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ポスターとデモ展示の様子
 
ポスター(PDF
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