光テレホンJJY
光テレホンJJYは光電話回線を利用した時刻供給システムです。2016年5月26日に実験運用が開始され、2019年2月1日から本格的に運用されています。2022年初頭からは、従来のテレホンJJYよりもアクセス数が多くなっています。
光テレホンJJYは、インターネットに接続できない、または接続したくないが、GPS信号や標準電波信号などの受信の不確かさの影響を受けない信頼できる時刻源を必要とするユーザ(多くの場合、放送事業者)によって使用されます。光テレホンJJYは、1ms未満の精度で日本標準時への時刻同期を提供します。
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If you are interested in the background and development of the service, please visit [this page]. We have also collected answers to [frequently asked questions]. ((It would be great to add another page based on the development history that was in the Journal of NICT article!))
光テレホンJJYの使用方法
光テレホンJJYをご利用いただくには、NTTが提供するフレッツ光、ひかり電話回線のデータコネクトサービスが必要です。また、光テレホンJJYシステムに接続するには、データコネクトサービスに対応したルータが必要です。時刻同期自体は、時刻同期用のハードウェアを使用するか、または適切に構成されたコンピュータシステムを使用します。
登録
光テレホンJJYをご利用になるには、登録していただく必要があります。また、光テレホンJJYでは、着信を認識できるように発信者番号通知を有効にしておく必要があります。
利用登録申請書フォームページに記載されている必要事項をご記入の上、暗号化した利用登録申請書ファイルを「光テレホンJJY利用登録申請書」という件名でjst-serviceまでお送りください。通常、お申込みの処理には5営業日ほどかかりますが、完了しましたらメールでお知らせします。
接続方法
光テレホンJJYにアクセスするには、ユーザのローカルネットワークからNICTのシステムへのトンネルを作成するようにルータを設定する必要があります。詳細については、次の使用例を参照してください。
光テレホンJJYにアクセスするには、データコネクト接続によるIP-UDPトンネル接続を行います。データコネクト接続の保証された帯域幅とQoS (Quality of Service) 制御機能により、低遅延での接続が可能となります。また、光テレホンJJYの時刻同期には、この接続を介して交換されるNTP互換のパケットが使用されます。
データコネクト接続の帯域幅は厳しく制限されていますので、過剰なトラフィックは時刻同期の品質を急速に低下させるため、ネットワークトラフィックが誤ってトンネル接続を介してルーティングされないようにご注意ください。また、同様にアクセス間隔にもご注意ください、高速アクセスを行うと帯域制限により遅延時間が変わるため、時刻同期誤差が大きくなってしまいます。
使用例
専用のタイムサーバシステムが市販されていますが、光テレホンJJYでは、時刻同期に拡張NTPパケットを使用していますので、ntpdを実行可能なUnix/LinuxベースのPCでも使用できます。光テレホンJJYの一般的な利用方法は、インターネットから隔離されたネットワーク(閉域ネットワーク環境)に時刻情報を提供するものですので、以下では閉域ネットワーク環境でNTPサーバとしてLinuxサーバのntpdを使用する場合を示します。
ntp.conf で、
IP 192.168.200.1 はデータコネクトで接続したときの光テレホンJJYホストのアドレス(NICT本部)です。通常、ntpdが動いているときは ntpdate は使用できません。オプション -u は非特権ポートを使用するモードとなります。
オプション -B はslewモードでの時刻同期です。すぐに同期させる場合は -b のstepモードで使用してください。ただし、stepモードでは時刻の飛び(逆戻り)が起きる場合があります。
オプション -p8 はサンプル数を8パケットとしています。データコネクト接続のために電話呼び出しをするので、接続に時間がかかります。このため最初のUDPパケットはロストしますので何個かのパケットを送る必要があります。
6時間毎に自動同期させるには、htelsync.shファイルを作成します。
/usr/sbin/ntpdate -u -B -p8 192.168.200.1 >>synclog.txt
これにより、6時間ごと01:05、07:05、13:05、および19:05に時間同期が実施されます。NICTでのテストでは、NTPサーバの時刻を±0.1秒以内の精度に保つのに十分でした。ntpdのdriftファイルを調整することで、時刻同期の間隔を延長することも可能です。なお、同期が行われていない場合、実験で使用されるNTPサーバのクロックは1日あたり約0.5秒遅れます。
この簡易方法ではうるう秒には対応しませんのでご注意ください。
通信料金は、2017年4月現在、1回の同期につき1円(税別)で、月額約120円程度です。
注意事項
連続してNTPパケットを送らないようにご注意ください。
NTPパケットの送信速度が速すぎると、帯域幅が制限されるために接続が制限されます。これにより、伝送遅延が増加し、時刻同期の誤差が増加します。
1回線ごとに1時間に1回程度(1日24回)以下のアクセス、及び3分以内の接続をお願いします。
これにより、光電話JJYシステムへの過剰な負荷を回避し、すべてのユーザがシステムに接続できるようにします。
光テレホンJJYを単純な上位のNTPサーバとして利用しないで下さい。
光テレホンJJYは、NTPサーバとは異なります。システムへの過度な負担となりますので単純な上位のNTPサーバとしての利用はしないでください。NTPサーバとしてご利用になる場合は、NICTが別に提供している「ネットワークによる時刻情報提供サービス(NTPサービス)」等をご利用ください。
データ形式
光テレホンJJYは、データコネクト接続上に設定されたIP UDPトンネルを介して交換されるNTP互換パケットにより時刻同期を行います。NTPパケットには、現地時刻の情報ではなく、協定世界時の時刻情報が含まれています。光テレホンJJYでは、時刻情報を日本標準時(JST)に同期させるために、NTPバージョン4で導入された拡張フィールドを利用しています。
拡張データは、開始ユーザパケットにも20バイトの拡張フィールドが含まれている場合にだけ応答します。応答パケットでは、拡張データは次の情報に置き換えられます。
control
コントロール情報 :内容未定(現在値:0)
server ID
サーバID :応答サーバ毎に異なる値
JST offset
JSTのUTCからのオフセット :+9
DST offset
夏時間実施期間中のUTCからのオフセット :+10(未確定)
start of DST at date/time
夏時間開始日時 :4byte
end of DST at date/time
夏時間終了日時 :4byte
option
予備 :8byte