テレホンJJY
電話回線による標準時提供
テレホンJJYは2024年3月31日に廃止しましたが、このページには参考資料として廃止前の情報を掲載しています。
長波の標準電波(JJY)にちなんで名付けられた「テレホンJJY」は、公衆電話回線を通じて正確な時刻情報を提供するシス テムです。電話回線がアナログ接続であった頃は専用受信装置を利用する事で日本全国どこでも精度1ミリ秒で 日本標準時に同期を取ることが出来ました。その後光電話回線やインターネット等のデジタル回線での利用を想定した 「光テレホンJJY」や「NTPサービス」が開発されています。
時刻データは、アナログ通信路でデジタルデータを伝送するための標準的な通信方法であるモデムを介して、デジタル信号として提供されます。時刻データの最後のビットは、NICTが提供する協定世界時(UTC)と日本標準時(JST)の信号の1秒間隔に同期しています。
利用方法
専用受信装置の他にもモデム接続されたパソコンであれば本システムに接続可能です。このような機器は全て受信装置として働きます。
受信装置が接続を開始すると、本システムはコマンドに応答し、要求された情報を送信します。
本システムでは標準的な通信プロトコルを使用し、ダイヤルアップ接続で一般的に使用される構成をサポートしています。通信には市販のターミナルソフトが使用できます。IDとコマンドはASCII英字(IDは大文字)でご入力ください。
電話番号 | 042-327-7592 |
---|---|
ID | TJJY |
プロンプト | > |
プロンプトではHELPやINFOコマンドをお試しください。接続を適切に終了させるためにはBYEまたはENDを使用します。
操作例
以下では、🛆はASCII(半角)スペース、太字は入力文字列、CRはエンターキーを押すことを示します。IDとパスワードはASCIIの大文字ですが、コマンドは大文字でも小文字でもかまいません。
接続が確立されると、次のようなメッセージが表示されます。
Name ? が出ないときはCRを押します。次に 🛆TJJY CR を入力します。
<Login message>
> TIME CR
> JST CR
> UTC CR
> DATE CR
> BYE CR
時刻・日付情報の取得
コマンドは、ログインメッセージ後に表示されるプロンプト(半角の">"で表示)で入力できます。ほとんどのコマンドはすぐに処理されます。LOOPコマンドはコマンド入力後1秒以内にループバック信号を送信します。UTCとJSTコマンドは特定のタイミングシーケンスに従って応答します。
入力コマンドが誤っている場合、1回目の入力に対してはコマンドと"?"がエコーバックされ、その後プロンプトが表示されます。誤ったコマンドが続けて入力された場合には、HELPコマンドをご案内するメッセージの表示後にプロンプトが表示されます。
遅延時間の補正
LOOPコマンドではリレースイッチによるループバック接続を実行できます。これにより受信側でモデムを含めた伝送遅延を測定できます。COMコマンド でループバック接続を終了します。
画像は専用受信機と本システムとの通信の流れを示しています。計測される遅延には、往復の回線遅延時間だけでなく送受信用モデムの変復調等にかかる時間も含まれます。
遅延の測定と補正についてより詳しく知りたい方は、日本時計学会誌No. 142(1992)「公衆通信回線による標準時供給システム」をご参照ください(日本時計学会の連絡先:03-5814-5801)。
デジタル回線では、音声信号の変換や伝送で付加的に生じる遅延を計測することは容易ではありません。この問題を克服するために、光テレホンJJYが開発されました。その他の用途では、ネットワークを通じた時刻同期プロトコルであるNTPが最適かもしれません。